東洋ゴム、社長・会長退任 偽装問題 非中核事業にスキ

2015/6/24付
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記者会見する東洋ゴム工業の山本卓司社長(左)と久世哲也専務執行役員(23日午後、大阪市北区)

記者会見する東洋ゴム工業の山本卓司社長(左)と久世哲也専務執行役員(23日午後、大阪市北区)

東洋ゴム工業は23日、山本卓司社長ら代表取締役3人を含む生え抜きの取締役5人全員が引責辞任すると発表した。免震ゴムの性能偽装問題の責任をとる。連結売上高比率わずか0.2%の非中核事業で生じた経営の隙に会社全体が足をすくわれた。今後、会長などのポストに社外の人物を招くことも検討するなど企業統治を見直し、経営の立て直しを急ぐ。

山本社長は23日午後、大阪市内で記者会見を開いた。山本社長は「(免震ゴムの性能が)適合か不適合かの確証が持てず対応が遅れた」と陳謝し「結果責任を取る」と辞任する考えを示した。

7月1日付で信木明会長、今秋の臨時株主総会で山本社長がそれぞれ辞任する。免震ゴムなど非タイヤ担当や管理部門統括の役員も取締役を辞任し、降格や役員報酬の一部返上などの処分を受ける。取締役全7人のうち社外取締役の2人を除く5人が取締役を辞める。

山本社長は後継社長について「社内から選ぶ」との考えを示した。会長や特別顧問を外部から招くことも検討するという。

同社は7月1日付で発足させる免震ゴム問題対策本部の本部長に山本社長が就任する人事も決めた。今回降格などの処分を受ける役員2人も副本部長に就く。いずれも今回の偽装問題で責任が重いだけに批判を浴びる可能性もある。

東洋ゴムの連結売上高は年4千億円。このうち免震ゴム事業はわずか年7億円にすぎない。主力は自動車用タイヤ事業で営業利益の6割を北米で稼ぎ出す。免震ゴムはすべて国内の公共施設や大型マンション向けだ。主力のタイヤとは顧客も販路も全く違う。

社長含む経営陣の視線はおのずとタイヤ事業にそそがれていた。非中核事業に対する技術面の知識は不足気味となり的確な判断が遅れた。出荷停止に踏み切れなかったことの遠因と言える。

同社は2007年にも学校などで使う断熱パネルで品質偽装問題を起こした。その後、外部の取締役や監査役の機能を強化し発言権を高めてきた。今回、首脳陣の経営責任を迫り辞任させたことで同社のガバナンスはある程度機能したといえる。経営の自浄作用をどう機能させるか。企業に改めて問われてくる課題だ。

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