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日本電産、ブランド戦略に舵

日本電産が24日に発表した2016年4~12月期の連結決算(国際会計基準)は、営業利益が前年同期比17.6%増の1061億円だった。好調な業績の中、同社がこれまでの方針を大転換して力を入れているテーマが2つある。ひとつは20年に残業ゼロの目標を掲げる働き方改革。もうひとつが創業以来となる大規模なブランド戦略だ。

「もしこの世に、日本電産がなかったら」。年末から各テレビ局で頻繁に流れるスポットCM。京都出身の俳優、佐々木蔵之介さんを起用し、自動ドアや自動車のステアリングなど身の回りの様々なところに同社のモーターが使われている様子を描く。新聞の全面広告も年始に出稿した。

「これまで一切広告を出さずに来たが、180度の転換だ」。永守重信会長兼社長はそう強調する。狙いは人材採用のための知名度向上。今は新入社員を年300~400人採用しているが、20年には1000人採用する必要があるといい、「(日本電産を知っている)学生の分母を増やさないといけない」(永守社長)というわけだ。

同社が一般の人に尋ねたところ、「日本電産」の名前を知っている人は三十数%にとどまった。とくに学生の企業選びに影響力を持つが、ビジネスになじみが薄い母親層などからの知名度が低かったという。危機感を抱いた永守社長は「20年にBtoC企業並みの知名度にする」と大号令をかける。CMに佐々木さんを起用したのも女性からの人気が一番高かったからだ。

広告宣伝費もかさむ。「20年までに約300億円の広告宣伝費を使おうとしている」(永守社長)。短期的には収益の圧迫要因となるが、「それぐらい使わないと、BtoC並みの10人中7、8人が知っている企業にはなれない」(永守社長)。優秀な人材の採用や社員の士気の向上など、20年に売上高2兆円を目指す長期の成長には欠かせないと判断したという。

年間1万件の稟議(りんぎ)書の決裁で200億円もの経費を節約する家計簿的なコスト管理で知られ、「広告を出すぐらいならば生産設備の1つでも買った方が良いと思っていた」(永守社長)という日本電産。働き方改革やブランド戦略に今、舵(かじ)を切る理由を永守社長は「会社の変化点に来たから」と語る。30年に売上高10兆円という「ホラ」(永守社長)を現実にできるか。これからのブランド作りにかかっていると言えそうだ。(京都支社 太田順尚)

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