ベネッセが就職支援、企業と学生マッチング 内定報酬80万円

2015/7/24付
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 ベネッセホールディングスは10月から新卒学生向けの就職支援サービスを始める。学生との無料面談で志望や適性を把握し、企業が求める人物像と突き合わせて互いを紹介する。精度の高い「お見合い」機会を提供し、内定すれば企業から成功報酬を得る。通信教育講座「進研ゼミ」に依存する体質を変えるため、学生や社会人にも顧客を広げる思惑もある。

 「大量にエントリーし面接で振り落とされ、なぜ落ちたかも分からずに疲弊する。こうした若者がたくさんいる」。23日、都内で開いた記者会見で同社の原田泳幸会長兼社長はこう切り出した。経団連の新ルールで今年から就職活動が後ずれし選考期間が短縮した。効率的な就活や採用へのニーズが高まるとみる。

 就職支援は求人サービス大手のインテリジェンスと4月に共同で設立したベネッセi―キャリア(東京・新宿)が担う。

 インテリジェンスで人材紹介などにあたってきた約30人のコンサルタントが学生と1時間程度の面談を2~3回し、電話やメールでもやりとりする。都内に設ける専用施設や、大学などに出向いて面談する。企業には事前に、職種などのほか「論理的な思考ができる」「コミュニケーション能力がある」など求める人材像を出してもらう。

 サービス開始時点で2千社、学生2万人の登録を見込む。内定時に企業から1人80万円前後の報酬を受け取る。内定辞退の場合は全額返金する。

 こうした紹介型の就職支援サービスを利用する新卒者は現在、全体の約1割(5万人程度)とされる。新サービスでは2020年に新卒者の3割の利用、売上高50億円をめざす。7千人程度が内定する計算になる。

 就活では「リクナビ」「マイナビ」などの就職情報サイトを通じて学生が志望企業に応募し、企業が選考するのが一般的だ。だが「簡単にエントリーできる半面、双方に負担が生まれている」(インテリジェンスの高橋広敏社長)。学生は自分に合った企業を見つけにくく、企業も大勢をふるいに掛ける手間が増える。

 ベネッセは通信教育講座の「進研ゼミ」「こどもちゃれんじ」が主力。15年3月期の営業利益292億円のうち約6割を、小学生から高校生までが対象の「進研ゼミ」で稼ぐ。妊娠・出産・育児向け情報雑誌「たまごクラブ」「ひよこクラブ」や介護サービスも手掛けるが、大学生や社会人向けのサービスは手薄だ。

 「大学受験と介護の間にあるのが社会人教育。就職支援参入はそれを進化させるための一歩だ」(原田氏)。4月には社会人や主婦向けの生涯学習のオンライン教育サイトも立ち上げた。

 日本マクドナルドホールディングス会長だった原田氏は14年6月にベネッセ社長に就き、「脱・進研ゼミ依存」を掲げた。就職支援サービスはその一環だが、そればかりといえない事情もある。

 「進研ゼミ」「こどもちゃれんじ」の会員数はピークには420万人を数えたが、14年7月に発覚した顧客情報漏洩問題の影響で、15年4月には271万人まで減った。原田氏は「ハンバーガーと違い、手を打っても翌日からすぐ効果が出るものではない」と話す。

 屋台骨が揺らぐなか、就職支援など「大人向けサービス」を急いで育てる必要がある。新たな収益源にできるか。ベネッセ立て直しに向け重要な使命を帯びているといえそうだ。

(新井惇太郎)

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