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AIとロボットは、30年後の暮らしをどう変えるか

読者からの提案 藤森義明LIXILグループ社長編(6月29日)

藤森義明さんの提示した「AIとロボットは、30年後の暮らしをどう変えるか。」という議題に対するアイデアを募ったところ、多数のご投稿をいただきました。紙面掲載分を含めて、当コーナーでその一部をご紹介します。

子供とともに成長

小野日菜子(18) 明治学院大学国際学部1年

子供とともに成長するAIやロボットが生まれ、家族の一員のような存在になるのではないか。例えば、赤ちゃんが泣いている理由がわからない親は多い。そこで育児ロボットが子供の感情や健康状態を科学的に分析し、状況にあった方法で子供をあやしたりミルクを与えたりして世話をする。幼児期には、人間の目で分からない危険を察知して見守る。子供が成長したら家庭教師ロボットとして子供の個性に合った方法で教えられる。

単身高齢者をつなぐ

村山輝周(18) 早稲田大学社会科学部1年

在宅型ロボットが単身高齢者の新しいパートナーとなり、地域を結ぶ役割を担うだろう。AIとタッチパネルを搭載し、離れて暮らす子供や孫とテレビ電話ができる。何気ない会話で他人と関わりを持つように勧め、高齢者同士の交流機会を提供し、地域のイベントも紹介する。孤独死は激減し、高齢者は人との関わりによって充実した最期の時を過ごせる。地域ネットワークの連携を果たすロボットを支給する政策もやがて必要になるだろう。

災害の人的被害ゼロ

小笠原舞(20) 産業能率大学経営学部3年

自然災害大国、日本で「自然災害の人的被害ゼロ」の日が来るかもしれない。例えばプレートの動きや火山活動を把握し情報管理するクラウドを備えたAI搭載ロボットを各家庭に設置する。緊急地震速報のように予知情報を流し、家族に連絡が取れる機能を付けたうえで、人の救出もする。人間の側は過去の体験や教訓をAIにインプットしておくが頼りすぎず、新旧の避難対策を怠らない。飛躍的に人的被害を減らせるはずだ。

【以上が紙面掲載のアイデア】

1人1台秘書・執事ロボ

奥田萌(20) 神奈川大学経営学部3年

現在の携帯のように、1人1台、ロボットを連れ歩く社会に進化すると考える。一人ひとりに秘書・執事的な役割を担う存在がサポートしてくれる社会だ。30年後、単純作業や未来予測をロボットが担う社会が到来する。暮らしの中では、家事労働、スケジュールや髪形の調整、その日着る服の選択などを代替するだろう。服の選択を具体的にいうと「真面目に見られたい」「今日は普段より個性的な印象で」といった人間の要望に基づき選択してもらう。繰り返しの作業に頭を使う必要が無くなり、人間はより創造的な活動に費やせる時間が増える。人間がやるべきことは、その浮いた時間を社会的活動などの創造的な活動にシフトし世界を作り替えていくことと、ロボットに「考える」作業を任せすぎず自主性を保つということだろう。

AIで交通事故・渋滞を未然に

谷野優隆(17) 海陽学園海陽中等教育学校高校2年

AIを利用して人命救助につながるアイデアを提案する。まず全ての車両に今までに起きた交通事故のデータを組み込んだAIを自動車に搭載する。AIが全地球測位システム(GPS)と連携することで、事故が起きると予想されるパターンが発生した場合、周辺の車両全てに警告を出し、事故を未然に防ぐことが可能になる。AIは人に快適さももたらす。例えば、高速道路で起こる渋滞の解消も可能と考える。代表的なボトルネック渋滞、下り坂から上り坂にさしかかる場所での渋滞などは、いずれも運転者が速度を落とすことによって発生している。高速道路での車両の速度をAIにまかせ自動化し、最適なスピードに設定することで交通の円滑化につながる。これらは、AIをネットワークにつなぐことでデータが更新され続け、正確性も増していくことが期待される。AIは無限に進化を続け、人々の暮らしをより良いものにするだろう。

医療を支えるAI

高尾浩之(21) 秋田大学医学部4年

AIが医療に導入されることで、負担の減った医療者が優しい気持ちで患者に接する、そんな未来を私は望む。例えばAIは、外来において緊急性の高い患者を識別できる。患者の体温、血圧、呼吸数を計測し、患者の訴えから特徴的な症状を探しだし、表情や歩き方を映像で分析する。手術支援ロボット「ダヴィンチ」にもAIを搭載し、外科医がダヴィンチで手術した際の操作やメスのタイミングなどをAIに学習させていくことが可能だ。では、医療面接や病名の告知まで「完璧なAI」に任せて良いだろうか。患者に自らの病気を受け止め、向きあっていこうという気持ちにさせられるのは、やはり人間だけだろう。

人が人間として生きる時間をロボットと共創する

袴田達雄(46) 学校法人成蹊学園

今後、AIとロボットの活躍分野は生活上のリスク排除や行動補助など人間の行動を補完する受動的対応にとどまらない。人間の思考や行動を膨大なパターン蓄積データを解析し、対象者の習慣や考察特性に適合した対応を人間の動きに先んじて能動的に行うよう、明確な市場戦略に基づき設計される。まるで一人ひとりが執事や家政婦を持つかのような、きめ細やかに配慮された生活支援が実現されるだろう。空間センサーによる声・身ぶり認識や各種ウェアラブルセンサーによる簡便な意思伝達で人間の労力が軽減された生活空間が2020年には標準規格化され、日本が世界市場のリーダーとして新たな住環境を広く世界に問う時代が来る。仕組まれたパターン動作でロボットを活用する時代は終わり、AIによる適時適合型の非汎用対応を行う、人間の能力を超えた集中制御AIによる家ロボットが実現。人間はすべてを端末一つで制御する時代が到来する。

健康維持がかなう未来住宅

今田浩暢 自営業

家の部屋の中で健康状態を随時自動スキャンし、今どのような状態か、どのような改善が必要かを知ることができる、医療機能を兼ね備えた住宅が登場する。会話のトーンなど人が発する情報や、食後の食器に付着した唾液、ドアノブなど人が直接触れたあらゆるものから体の状態(数値)を正確に読み取り、今の健康状態と今後予見される危険性をいち早く感知することが可能になる。いわば「24時間監視システム型住宅人間ドック」だ。これにより脳卒中などの発作や自覚症状なく進行する病気の心配が軽減する。はじき出されたあらゆる数値はAIを備えたロボットが計算し、随時、危険性の告知から症状の改善提案まで行う。調理する食事の塩分量やカロリー量などを自動測定、料理の調理方法や運動の提案も行う。30年後は住んでいるだけで自動で、検査~分析~予測~改善まで可能な暮らしが実現する。

AI×防犯カメラ

鈴木久善(15) 海陽学園海陽中等教育学校中学3年

現在研究が進められている「顔認証システム」にAIを組み込むことで、より防犯につながると思う。全国の防犯カメラを進化させ、ネットワークを構築すれば、罪を犯した人の自動追跡などになり、犯人が確保しやすくなり、その抑制効果で犯罪が減り、社会の秩序が守られるようになるだろう。さらにAIと顔認証システムの一段の進歩で、最終的にはその人の表情やしぐさから体調や感情などを読み取ることも可能になり、病気や犯罪予防で大きな力となるのではないか。カメラに映像が映っていなくても、捜したい人の身長や体重・肌の色・髪の長さ・ホクロなどの身体的な特徴をAIに教えておけば、該当する人が映った時に通報することも可能になる。これは徘徊(はいかい)老人や行方不明者の捜索にもその力を発揮すると思う。

instead of me ロボット

大竹杏果(19) 中京大学総合政策学部2年

私はAIやロボットなどの技術は大きく日本社会を変えていくと思う。今の日本社会は複雑になり、人同士のトラブルも頻繁に起きている。時間に制約された生活を送る人も多い。そこで私は、自分の代わりロボット、「instead of me ロボット」を提案する。このロボットは、大事な会議や外せない仕事が重複している時などに使用する。人工知能を生かし、一人前の仕事をさせることができる。時間の制約が多い日本社会で大事な仕事がバッティングした際、両方をこなすことができ、人間以上の能力で仕事を覚え、その後、人に共有してくれるのがこのロボットのメリットだ。だが、このロボットを使い、仕事をサボる人が出てしまうかもしれないため、本当に大切な仕事が重なった時のみ使用可能とする。

動作を再現する装着型ロボ

河野祐平(70) 無職

両手、両足の動作を装着型のロボットが記憶し、そのロボットを身につけた他の人が同じ動作を再現できるようになれば素晴らしいと思う。私が習っているエレクトーンやドラムに例えると、先生の演奏を生徒が体験できるので、早く上達できそうだ。首や背中の姿勢を記憶できれば、医療でのリハビリテーションに活用できると思う。携帯できるサイズのロボットができれば、スポーツの練習にも使える。さらにAIによって、装着型ロボットの記憶と再現の能力を高められるはずだ。

語学学習からの解放で内容ある会話

露木光太郎(18) 明治学院大学法学部1年

AIの進化によって正確な翻訳ロボットができれば、外国人との意思疎通が容易になると思う。現在外国人との意思疎通は、片方が相手が理解できる言語で話すか、通訳を介する必要がある。言語の習得は多大な時間と労力がかかるし、通訳を雇えば費用がかかる。外国人との意思疎通が難しいのはこのためだ。まさに、言葉の壁である。今も自動翻訳機はあるが、正確さに欠けるのが欠点だ。30年後の飛躍的に進化したAIは、自動翻訳ソフトを格段に正確にするはずだ。このソフトを組み込んだロボットを自分と相手の間に置けば、正確な言語変換はもちろん、ネット上のビッグデータから最新の社会情勢を学習したり、話し手の表情を認識したりする機能をつけることで、人間並みの自然な通訳ができるだろう。不自由な外国語で話す制限から解放され、人間は自由の利く言語でより高度な会話ができるようになる。快適な世の中だ。

AIで誤審を無くす

山本純(16) 海陽学園海陽中等教育学校高校1年

30年後の世界でAIをスポーツの審判として導入すればいいのではないか。オリンピックは世界中の人々が待ち望んでいるスポーツの祭典だが、そんな世界大会にさえ、毎回、誤審の問題がほぼ間違いなく浮上している。それによって、競技に勝つために努力してきた選手や支えてきたサポーターが涙を流すことになる。度々、誤審が問題になる野球もストライクとボール、アウトとセーフの判定を、AIを使えば確実に判定でき、ファウルの判定が難しいサッカーやバスケットボール、勝敗自体の判定が難しい柔道や剣道においても、今よりも正確なジャッジが下されるようになると思う。このようにAIのスポーツ競技への活用でスポーツの公平性や安全性が高まり、人々がもっと良い環境でスポーツを楽しむことができるようになると思う。

おじいちゃん・おばあちゃんも、リア充に

塚田航平(19) 慶応義塾大学法学部1年

今から30年前の1985年。インターネットも普及していなければ、携帯電話もなかった。30年後、私たちはどういう手段で情報を得て、片手には何を持つだろうか。高齢者の生活に注目してみたい。高齢者の生活、さらにいえば社会交流は狭いコミュニティーで完結しているように見える。一方、若者は「リア充」という言葉に表れているように、SNSを媒介に幅広い人同士の積極的な交流が行われている。30年後、情報技術の進展でSNSはより多くの年代の人に利用されていくだろう。高齢者は、AI搭載のタブレットを片手に高齢者に普及したネット世界で多くの同年代と出会い、より広い対象の仲間と、趣味を共有するなど老後を充実させる。国や自治体もネットを利用して、生活に有用な情報を提供したり、健康管理を行ったりするなど、より緊密な生活のケアを実行できるだろう。

次回の未来面

次回、7月6日掲載の未来面で提示する課題は、東日本旅客鉄道(JR東日本)相談役・大塚陸毅さんの「尊敬される日本とはどのような国だと思いますか」です。広く皆さんからのアイデアをお待ちしております。

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