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経営陣が公表遅らせる 東洋ゴム偽装で最終報告

免震ゴム性能の偽装問題で東洋ゴム工業は22日、弁護士らで構成する社外調査チームの最終報告書を公表した。経営陣が2014年夏以降に何度も性能不足の報告を受けながら、公表や出荷停止を遅らせていた経緯が明らかになった。不正を防ぐはずの品質保証部門もデータを改ざんしていた。調査チームの小林英明弁護士は経営陣の不適切な対応や企業風土を強く批判した。

最終報告書では、偽装に関係した人数は4月の中間報告書の段階から増えて合計4人になった。開発部門だけでなく品質保証の担当者1人も含まれていた。顧客からのクレームを避けるため、製品ごとの性能の違いを小さくするよう数値を書き換えていた。このほかに9人が関わった疑いがあるとしている。

経営陣が不正を認識するまでの経緯も報告書で明かされた。

免震ゴムの性能不足は昨年夏から経営陣に報告されていて、昨年9月16日午前の会議では信木明会長(当時は社長)らが出荷停止や国土交通省への報告を決めた。しかし、午後には性能評価のやり方を見直せば認定基準に達し性能不足にならないとして、これを撤回していた。

10月23日に開かれた会議では、山本卓司社長(当時は専務)らは大臣認定の基準に達しない製品が26あるなど免震ゴムの性能不足の詳しい報告を受けた。その際、他の取締役を含めて不適合の製品を10件未満にする方向で検討することや、すぐに国交省への報告や出荷停止をしないことなどを申し合わせていた。

直前の10月17日には、伊藤和行取締役常務執行役員が免震ゴムを扱う事業本部長に対し「担当者の処分を含めて大きな問題が表面化する。もう逃げられないと覚悟している」とのメールを送付。技術統括の伊藤取締役が免震偽装の問題の深刻さを強く認識していたことになる。

東洋ゴムはこれまで、山本社長が正確に事態を把握したのは1月末だと説明し、2月に製品を出荷停止にした。問題の免震ゴムは全国の病院や商業施設など計154棟で使われている。代替製品の生産も遅れ、顧客の批判も強まっている。

小林弁護士は「企業風土の変革には激烈な痛みを伴うが、抜本的な変革をする覚悟が求められている」と結論づけた。

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