2017年12月15日(金)

自転車シェア中国「モバイク」、日本で10カ所展開へ
23日から札幌でサービス

2017/8/22 21:09
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 中国のシェア自転車大手、摩拝単車(モバイク)が23日、札幌市でサービスを始める。競合のofo(オッフォ)も日本進出を決めている。両社は新サービスが受け入れられやすい中国で急拡大し、ネット大手の出資を受けて海外進出を果たした。中国企業の成長が日本でのシェアリングエコノミーを変える可能性がある。

モバイクのシェア自転車体験会(22日午後、札幌市中央区)

モバイクのシェア自転車体験会(22日午後、札幌市中央区)

 「地下鉄で行って自転車で帰れるなんて便利」。22日にモバイクが開いた体験会。中国旅行時にシェア自転車をよく利用するという札幌市の大学生、鈴木陽大さん(22)は、友人ふたりとオレンジ色の自転車で札幌駅近くの会場を走り、満足そうに話していた。

 モバイクは23日から札幌市内のコンビニエンスストアやドラッグストアなどに数百カ所の駐輪場を設け、合計で数千台の自転車を貸し出す。キャンペーン価格として30分50円で提供し、利用者の反応をみて正規料金を決める。年内にも政令指定都市を中心に国内10カ所程度に広げる方針だ。

 サービスの核となるのがスマートフォン(スマホ)だ。アプリの地図に利用可能な自転車の位置が表示され、予約しておくこともできる。車体のQRコードをアプリで読み込むと、「ピピピッ」という音とともに数秒で解錠される仕組みだ。利用時間をもとにネット決済する。利用後は乗った場所でなくても、契約する駐輪場であればどこで手放してもよい。

 中国では2016年以降、シェア自転車のサービスが急速に広がった。30分1元(約16円)前後という手ごろな値段や、どこでも乗り捨てられる利便性が消費者をひきつけた。先行してサービスを始めたモバイクとオッフォの2社だけで計1500万台近くを運用しているとみられる。

 モバイクは中国のほか、英国、シンガポール、イタリアに進出。オッフォは9月以降、ソフトバンク子会社と連携して東京や大阪を手始めに日本でサービスを始めると表明している。

 後押しするのは中国のネット巨人で、騰訊控股(テンセント)を中心とする投資家集団は6月、モバイクに6億ドル(約650億円)を出資。オッフォもアリババ集団などから7億ドル(約760億円)を調達した。

 日本勢も市場開拓に乗り出している。NTTドコモ子会社のドコモ・バイクシェア(東京・墨田)は実証実験として自治体や民間企業にシステムを提供、全国約5300台の自転車を登録している。交通系ICカードや暗証番号で解錠する仕組みで利用回数は4年で20倍に増えた。

 ソフトバンク子会社もシェア自転車事業を支援するサービスを始めた。現在は5事業者と連携し8カ所でサービスを展開する。都内でシェア自転車を利用する東京都港区の会社員女性(23)は「通勤時に気軽に運動ができて重宝している」と話す。

 中国で普及するシェア自転車だが、急拡大によるひずみもある。モバイクとオッフォの成功を見てベンチャー企業が相次ぎ参入。今では中国全土で数十社がサービスを提供し、供給過剰の地域もある。交通の妨げになるとして、広東省広州市などは自転車の新規投入を禁止した。

 モバイクのクリス・マーティン国際展開本部長は「景観重視の日本に合ったビジネスモデルを構築する」と話す。路上駐車の問題が深刻な日本では、規模だけを追えば規制の対象になりかねない。中国での批判を教訓に、大量の自転車を導入するのではなく、1台あたりの稼働率を高める戦略をとる計画だ。

 ここにきて日本でのサービス分野における中国企業の存在感が高まっている。中国の民泊最大手、途家(トゥージア)は16年に日本へ進出し、旅行者の支持を得ている。シェアリングエコノミーの拡大が今後、消費者の生活習慣を変えていくとみられている。

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