対格安スマホ、iPhoneに託す 携帯3社が「8」発売

2017/9/22 21:17
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携帯大手3社が22日、米アップルの新型iPhoneの「8」と「8 Plus」を発売した。最上位機種「X(テン)」の発売が11月にずれ込んだため、iPhone商戦は静かな出足となった。ただ格安スマホの存在感が強まる中、携帯3社が新型に寄せる期待値はかつてなく大きい。iPhone頼みの姿勢が強まりそうだ。

発売された「iPhone8」(左)と「iPhone8プラス」(22日、東京都渋谷区のアップルストア表参道)

「この10年で世の中が大きく変わった。iPhoneの力じゃないかとつくづく思う」。22日、東京・銀座の旗艦店で開いたソフトバンクの発売イベントで、同社の宮内謙社長はこう話した。宮内氏は「X」も含めれば新型の販売は確実に過去最高を更新すると語る。

アップルがiPhoneを生み出して10年。日本の携帯市場は、毎年秋にアップルがiPhoneの新機種を投入すると、通信各社が「実質ゼロ円」などの販売促進策で互いに顧客を奪い合う構図が定着。iPhoneへの依存度が高まっていった。アウンコンサルティングの調べでは日本で使われるスマホのうち7割近くをiPhoneが占める。

世界の状況は大きく異なる。韓国サムスン電子や中国・華為技術(ファーウェイ)が台頭。アジアの新興国では若年層を中心に「iPhone離れ」が進む。好対照な動きを見せる日本とアジアのスマホ市場。日本の携帯3社のiPhone依存はさらに強まりそうだ。

原因は台頭する格安スマホの存在だ。格安スマホで扱うiPhoneは型落ちのみ。最新モデルではアップルが大量購入を契約条件に盛り込むからだ。まだ成長途上の格安勢ではさばき切れず、独立系格安スマホ最大手の楽天でさえ「とても手が出せない」(幹部)。

携帯3社にとっては唯一、格安スマホと差異化できる武器となるわけだ。今回、3社は自社の顧客層に合わせた新料金をそれぞれ打ち出した。若年層が多いソフトバンクは大容量プランを新設した。

最大手のNTTドコモは2年目以降も自社との契約を続ければ大幅にスマホ代金を割り引く。他社への乗り換えを防ぐ狙いで、iPhoneだけに適用する。ドコモは富士通とサムスンのスマホを対象に月々1500円値引く新サービスを始め、iPhone依存からの脱却を進めようとするが、効果は未知数だ。

iPhoneが幕を開けたスマホ経済の波に乗って好業績を謳歌する携帯3社。だが、現状は「アップルの代理店に陥りつつある」(NTTグループ首脳)との危機感が高まっている。(杉本貴司)

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