2019年6月18日(火)

電線の国内出荷、東京五輪需要で薄日 17年度
3年ぶりプラスへ

2017/3/22 16:39
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2020年開催の東京五輪・パラリンピックを控え、電線の需要に薄日が差し始めた。日本電線工業会(東京・中央)は22日、主力の銅電線の国内出荷量が2017年度は前年度比2.8%増の69万5千トンに回復するとの見通しを発表した。前年度比プラスとなれば3年ぶり。伊藤雅彦会長(フジクラ社長)は「回復が遅れていた建設向けなどの需要が下期に戻りそうだ」と期待を寄せる。

銅電線の国内出荷量は1990年度の121万トンをピークに減少を続けてきた。リーマン・ショック後の2009年度には前年度比12.7%減の66万2千トンまで落ち込んだ。東日本大震災の復興関連の工事が増え、14年度は一時的に72万トンまで回復したが、それ以降は前年度の実績を下回ってきた。

回復の原動力となるとみているのが銅電線需要の半分を占める建設・電販向けだ。建設・電販向け建築物の屋内配線用が主体で日本電線工業会では17年度に前年度比5.3%増の33万6千トンに増えると予測する。工事会社の人手不足や資材高騰で遅れていた東京五輪関連需要が都心再開発やホテル整備などを中心に17年度下期から出てくるとみている。

電力向けは2.2%増の5万6千トンの見通し。東日本大震災以降に落ち込んでいた電力会社の投資が徐々に回復するとにらむ。昨年10月に発生した大規模停電の原因とされるケーブル火災を受け、東京電力ホールディングスがケーブル更新計画を発表。約210キロの旧式ケーブルを10年以内に防火性の高いケーブルに取り換えるという「大型需要」が生まれる。電線メーカーは東京都の小池百合子知事が掲げる電柱・電線の地中化政策にも期待している。

モーター用巻き線が好調の電気機械向けは0.3%増の15万1千トン。組み電線(ワイヤハーネス)が主体の自動車部門は横ばいの7万3千トンと予測する。光ファイバーへの移行が進む通信部門は7.4%減の1万トンになる見通し。東南アジアや中国経済の動向に左右される輸出部門は前年度と同じ1万6千トンに据え置いた。

(安原和枝)

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