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あなたの心に火をつけた出来事はなんですか?

学生の提案 尾堂真一・日本特殊陶業社長編

尾堂真一さんの提示した「あなたの心に火をつけた出来事はなんですか?」という課題に対し多数のご投稿をいただきました。紙面掲載分を含めて、当コーナーでその一部をご紹介します。

私「が」日本を背負う

江頭 香蓮(Trinity Foundation Programme、19歳)

「世界で一番、近未来の世界に近い国かもしれない」――。半年ぶりに降り立った日本で、ふと感じた。美しく湾曲する高速道路やICカードなど、今まで当然と思っていたものが突如、私の好奇心を捉えた。近年、グローバル人材が求められる日本。「グローバル」という一つの言葉が持つ様々な意味を日本の次世代を背負う学生は問われている。日本の教育に絶望し、グローバル人材の模範になるべく、私は海外進学を選択した。その選択がまさに、私の「着火剤」だ。そして帰国してみると、絶望を感じていた日本に広がる希望に気付いた。アジアの他国から追い上げを受け、遅れ気味になった日本の経済産業界。その日本をこの新鮮な気持ちでプラスのベクトルに変えたい。私こそが日本の「着火剤」だ。

憧れをかなえる行動力

小沢 香蓮(韓国ソウル東国大学社会学部4年、22歳)

私の心に火をつけたのは、自らの決心と行動力だった。大学では食品産業を専攻している。授業を聞きながら、いつか牧場で自ら汗を流し働いてみたいという憧れを抱くようになった。休学をして牧場で働きたいという私を、親や友達からは反対されたり、冷やかされたりもした。それでも私の気持ちが変わることはなかった。事前にいろいろと調べて計画をたて、自分の憧れが少しずつ形になっていくのがとてもうれしかったことを覚えている。実際に北海道の牧場で6カ月働き、搾乳体験以上に食の安全への高い意識や現場の判断力、そして言葉の話せない牛の異常をキャッチする観察力、それらの努力があってこそ消費者に納得できる品質、価格の商品が届くというのを身をもって感じた。今は学校に戻ってきた。人と違う経験をしたことが自分に自信と専攻に対する情熱を与えてくれた。

本との出合い

山本 康太(海陽学園海陽中等教育学校中学3年、15歳)

私の心に火が付いたのは、ある本の言葉との出合いがきっかけだ。何の本だったかは覚えていない。だが、言葉は今も深く胸に残っている。「努力は必ずしも報われるとは限らないが、努力しない人は報われない」、そんな言葉だ。当時はショックだった。でも、この本を読み、何をやるにしても努力が不可欠なのだと気付いた。周囲を見渡しても、結果を出している人は必ず裏で努力をしている。そのことに改めて思い至り、毎日何となく過ごしていた自分は、勉強にも部活にも、以前よりも一生懸命、真面目に取り組むようになった。将来何になりたいか、夢はまだ決まっていない。でも、自分の心と夢には、確かに火がついている。そして、これからの努力次第で、まだ、あらゆる道が開けると確信している。

【以上が紙面掲載のアイデア】

噛むよろこびの提供

薦田 侑季(中央大学商学部3年、21歳)

「食べ物を噛(か)んで食べられない」。そんな時に私の心に火はついた。歯科矯正を始めてから、歯科医に行くたびに歯が動くので痛くて噛めない状況が続いた。今まで当たり前のように使っていた自分の歯が、コメを噛むことすらままならない。一週間ほど、ゼリーや豆腐だけを食べる日々が続き、幸せを感じるはずの食事が、食べたいものを食べられない怒りで作業に感じられた。ふと、高齢者になったら、また同じ苦しみがおとずれるのではないかと思った。噛む力がなくなり、噛んで食べられなくなる。歳をとって再び、噛めない苦しみを味わいたくはない。そのためにイノベーションを起こしたいと熱く思った。柔らかい食べ物の種類を増やすのはもちろんだが、歯や筋力に負担をかけずに「噛める」道具がほしいと強く思った。50年後までに実現できることを願っている。

テキサスでの学び

野口 裕太(上越教育大学大学院学校教育研究科1年、32歳)

姉妹都市交換留学プロジェクトで訪れた米テキサス州の中学校での生活は、その後の私の人生に大きな影響を与えた。当時の私は中学生といえば部活動に打ち込むことが当たり前と思っていた。しかし、テキサスで見た中学生は放課後活動として自分が興味のあることに打ち込んでいた。それも、その道のプロの下で伸び伸びと活動していたのだ。日本ではとかく協調性や集団ありきの指導が行われがちだが、現地で見た中学生の姿はそれとは正反対だった。徹底して効率を追求し、自分の将来に対して時間とお金を投資するという精神が親子共に浸透していたのだ。

私は日本に帰国してから「自分の強みは何か」ということを常に考えるようになった。もちろん、日本の教育には日本ならではの良さもあるだろう。しかし、世界で伍(ご)していく日本人を育てるためには、従来通りの教育観では立ち行かなくなるのではないだろうか。

宇宙衛星

内川 涼介(海陽学園海陽中等教育学校中学2年、14歳)

僕の心に火が付いた、つまり夢を持つきっかけとなったのが小学2年生の時に買ってもらった宇宙図鑑だ。その本をながめていたら、いつの間にか宇宙が好きになっていて将来宇宙にかかわる仕事がしたいと思うようになった。その夢が具体化していったのは、小学3年生の時。そのころ、小惑星探査機「はやぶさ」が長い時を経て、地球に帰還してきたのだ。僕は感動して「これを造りたい」と思うようになった。そこで、どうすればそんなものを造れるか調べたところ宇宙航空研究開発機構(JAXA)に入ればなれる、ということだったので勉強を頑張り、中学受験をし、今に至る。これからは、ここで勉強をさらに頑張り大学の工学部に入って「宇宙工学」を学びたい。そして、小惑星探査機を造り打ち上げ、宇宙の謎を一つでも解決したい。次の世代に誇れるように、これからも自分の夢に向かって頑張ろうと思う。

面倒くさい授業

川内 ひなの(立命館慶祥高校3年、18歳)

「起業家講座」は私が通っていた高校での授業だ。私たちは「起業家」となり、自分たちのやりたいことをビジネスとして行う。やりたいことが具体的になかったので最初は本当に難しく、一番面倒くさい授業と考えるようになった。しかしこの授業は私の心に火をつけた。

起業家講座では社長を決め、部署に分けて部長を決める。定款を作り、報酬を設定する。資本金を集めるために株式を募る。時には残業もし、最後には株主総会を行う。私は営業部長として会社に貢献した。様々な苦悩も、喜びもあった。お客様を勧誘することができたとき、お客様が私たちのビジネスを通して喜んでいる様子を見たときだ。この授業を通して自分のやりたいことが見えてきた。そして、私は自分の中に原石を見つけた。今はその原石を、誰からも認められるようなダイヤモンドに磨き上げている最中だ。

希望

伊葉 千春(京都女子大学法学部2年、20歳)

大学1年の春休みにインドを訪れた。その経験は今の私の原動力だ。そこで私は人がつくりだすエネルギーは希望となるということを学んだ。都市、農村問わずインフラ整備は十分でなく、快適とは言い難い暮らしがあった。しかし、そこには私が日本で感じた事のないすさまじいエネルギーがあった。それは、どんなに貧しい環境であろうと生きることを無駄にせず、国や将来に期待している人々から感じた。日本では負のエネルギーに出会う事は多いが、プラスのエネルギーに出会う事は少ない。そんな私はインドでの経験により、世の中に対しての見方が変わった。社会の傍観者でしかなかったが、これからは自分が主人公になろうと思った。一人一人が社会の主人公になれば何か変わるのではないかと思ったからである。今ある環境に満足するのではなく、より良い社会にするためには常に希望を持ち続け、行動することが大切であると気付いたのである。

ライバルはWikipedia

山口 瑞樹(海陽学園海陽中等教育学校中学3年、15歳)

私は2001年1月15日に生まれた。小さい頃から好奇心旺盛で、いつも父に「何か教えて」とねだり、手に入れた知識を周囲の人々に自慢していた。「よく知ってるね」と褒められるのがうれしかった。しかし、小学1年生の頃、私はとんでもない「物知り」に出会った。インターネット上の辞典、Wikipedia(ウィキペディア)だ。彼は私よりはるかに広く深い知識を持っていた。しかも、よりによって誕生日が2001年1月15日。負けず嫌いの私にとって、最強のライバルの出現だった。その時、心に火がついた。より多くの人の話を聴くようになり、興味を持った分野を本などで勉強するようになった。知識の厚さと幅を自ら広げる努力を繰り返した。

今ではWikipediaに勝てるのは、自分の頭で思考できる点しかないと思っている。しかし、思考は豊かな情報にもとづく。幼い頃から身につけてきた大切な知識を使い、未知の真理を切りひらく数学者になることが今の私の夢だ。

次回の未来面

次回、4月4日付未来面ではヤマトホールディングス社長の山内雅喜さんが課題を提示します。アイデアを広くお待ちしております。

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