2019年6月27日(木)

米国に炭素税を GMやエクソン、温暖化懐疑論に対抗

2017/6/22 14:29
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地球温暖化対策に後ろ向きなトランプ米大統領のお膝元で、大企業がそろって温暖化ガス排出削減を求める運動に出た。ゼネラル・モーターズ(GM)やエクソンモービルなどは20日付米紙ウォール・ストリート・ジャーナルで、米国での「炭素税」の導入を訴える広告を出した。トランプ氏が今月1日に温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」からの離脱を表明したが、企業は温暖化ガス削減と経済活動の両立が可能と訴えている。

炭素税は経済活動に伴い排出する温暖化ガスの量に応じ、企業などに税金を課する仕組み。排出量取引と並び、カーボンプライシング(炭素の価格付け)の有力な手段とされる。

広告で炭素税の導入に賛同した企業は11社。GM、エクソンのほか、ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)、プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)、ペプシコといった消費財を扱う米企業が加わった。外資系からは英蘭ロイヤル・ダッチ・シェル、仏トタル、英BPの石油メジャーや、英蘭ユニリーバ、仏電機大手シュナイダーエレクトリック、スペイン金融大手サンタンデール。気候変動に関する研究・提言をする民間団体クライメート・リーダーシップ・カウンシルの創設メンバーとして名を連ねた。

広告では炭素税の導入について、「すべての米国人が収益に中立な立場で炭素税を支払う義務がある」と訴えている。具体的には、全米で炭素税による税収を米国民に「配当」として還元し、炭素税の「国境調整」を設ける。中国のような温暖化ガス排出量が多い国からの輸入品には税を課す。

同カウンシルは、これまで設けられた様々な温暖化ガスの排出規制と比べ、より大規模な削減をめざすという。また「炭素配当」によって、全米で所得の低い方に属する70%が有利になると主張。炭素配当は環境、成長、雇用、競争力、ビジネス、そして安全保障にプラスになると訴えた。

20日付のニューヨーク・タイムズ(電子版)は今回の広告に関連し、「生産された二酸化炭素(CO2)1トン当たり40ドルの税金を課すという案を提示する共和党員のグループを支持している」と伝える。今回の広告は、共和党内で温暖化ガス削減と経済活動の両立を求める勢力へのアピールを狙ったものとみられる。

カーボンプライシングを巡っては、欧州連合(EU)が域内の排出量取引制度で先行した。中国も独自の排出量取引の導入を予定する。日本では経済産業省や経団連は慎重姿勢で、環境省は「世界的な潮流」として議論を進めるよう求めている。

(加藤貴行、潟山美穂)

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