東芝半導体、米WDが反対声明 優先交渉発表受け
東芝が21日、半導体メモリー事業の売却先として官民ファンドの産業革新機構の陣営と優先的に交渉することを表明したことを受けて、協業先の米ウエスタンデジタル(WD)は改めて売却に反対する声明を発表した。WDは「同意なしに同事業を第三者に譲渡する権利はない」と主張。「裁判を通して合弁会社の利益を守る」と強調した。
メモリー事業の売却を巡って東芝と対立するWDは6月14日に米カリフォルニア州の上級裁判所に売却差し止めの提訴をおこした。5月には国際機関に仲裁を申し立てており、さらなる強硬策に打って出た。声明では「東芝は我々の『拒否権』と進行中の2つの法的手続きを無視している」と厳しく批判した。
WDの声明では、革新機構の陣営を「(同業の)韓国SKハイニックスと(米投資ファンドの)ベインキャピタルが主導している」と認定し、ハイニックスが資金支援していることを強調した。また米上級裁判所で7月14日に審議が開かれる予定で、「売却差し止めを期待している」と表明した。