2019年8月26日(月)

任天堂株が大幅安 新ゲーム機の評価に戸惑い

2016/10/21 13:29
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任天堂の株価が久々の逆風に見舞われた。20日夜に3月発売予定の新型ゲーム機「スイッチ」の映像を公開したところ、翌21日午前の東京株式市場で任天堂株は大幅に反落。前日比1925円(7.1%)安の2万5025円と約1カ月半ぶりの安値を付ける場面があった。今回公開した映像では、価格や新型機にあわせたゲームソフトのラインアップといった売れ行きを左右する詳細はわからない。ただ、市場はひとまず売りで反応した格好。スマートフォン(スマホ)向けゲーム「ポケモンGO」の人気で息を吹き返した任天堂株だが、投資家はヒット連発となるかは自信を持ちきれていないようだ。

■約4年ぶりの新型機

任天堂が20日発表した新型ゲーム機

任天堂が20日発表した新型ゲーム機

「スイッチ」は2012年発売の「Wii U(ウィー・ユー)」以来、約4年ぶりとなる本格的な新型機だ。当時の岩田聡社長が開発コード「NX」と呼ぶ新型機の発売計画を明らかにしてからおよそ1年半、映像公開でようやくベールを脱いだ。

スイッチの最大の特徴は自宅と屋外の両方で使えることだ。ゲーム機本体とコントローラーを分離し、自宅で据え置き型として使うほか、携帯ゲーム機として持ち運ぶこともできるという。公開された映像でもスイッチを使って自宅や外出先の飛行機の上などさまざまな場所でゲームを楽しむ様子が紹介された。

ただ、自宅でも外出先でも同じ端末を持ち歩くという「新しい遊び方」が浸透するかは未知数だ。インターネット上では「携帯できるようにしているから、(据え置き型ゲーム機としての)機能は落ちるのではないか」との声も。ソニー子会社が13日にVR(仮想現実)技術を盛り込んだ新型ゲーム機「プレイステーション(PS)VR」を発表したばかりとあって、「新鮮味が乏しい」との見方も広がった。

証券アナリストも「新しいハードの革新性を確認するのは今回の映像では難しい」(モルガン・スタンレーMUFG証券の長坂美亜アナリスト)との声があがった。

■発想力と創意工夫に期待

もっとも、期待がすべてはげ落ちたとは言い切れない。任天堂は20日夜に、ソフト開発などで協力するパートナー企業としてディー・エヌ・エーやカプコンなど数十社を発表。「スイッチについても、スマートフォン(スマホ)との連携など新しい試みが打ち出される可能性はある」(ドルトン・キャピタル・ジャパンの松本史雄氏)として、売りに傾けるのをためらう投資家も多い。

今夏の「ポケモンGO」のヒットでは、任天堂がかつてのように発想力や創意工夫で世界を驚かす力を取り戻しつつあるとの評価が広がり、株価は一気に3万円台まで駆け上がった。その後は2万円台で一進一退が続くが、21日に付けた安値も「ポケモンGO」が人気化する前の6月末と比べれば、依然として7割強高い水準だ。今後、ハード以外の部分でも、スイッチを使った新しいビジネスモデルを示して、市場を再び驚かせることができるか。任天堂の力が試されるのはこれからだろう。

(富田美緒)

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