2019年5月24日(金)

元副社長に退職金88億円 孫正義氏の胸の内

2017/6/21 12:48
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ソフトバンクグループは21日、都内で定時株主総会を開いた。「後継者」に据えながら2年足らずで退任したニケシュ・アローラ元副社長に対し、88億円の退職金を支払ったことに関して、孫正義社長は「あまり反省していないかもしれない」と述べた。

ソフトバンクグループの株主総会であいさつする孫社長(21日午前、東京・丸の内)=テレビモニターより

ソフトバンクグループの株主総会であいさつする孫社長(21日午前、東京・丸の内)=テレビモニターより

アローラ氏は2014年に米グーグルから孫社長が引き抜いた。16年6月に株主総会の前夜に電撃退任した経緯がある。アローラ氏への巨額報酬を疑問視する声は多く、この日も質問に立った株主から「2度とこのようなことがないようにしてもらいたい」と注文が付いた。

孫社長は「結果的に払う必要のない退職金を払った」と認めたが、「後継者としてバトンを託す時間軸に彼と私とで差があった」と説明した。「代わりに私が現役社長として戻ってきた。それが価値としてあるのではないか」と理解を求めた。

アローラ氏に支払った報酬は退職金など諸費用を含むと総額約348億円になる。孫社長はグーグル時代にアローラ氏が得ていた報酬やストックオプションなどから計算したと説明した。退職金については契約に基づいて支払ったと言う。

孫社長は後継者育成については「これから10年かけて課題として取り組んでいく」と述べた。社内では後継者育成のための私塾を開いているが「おそらく二代目はすでにグループの中で活躍している経営陣の中から選ばれるだろう」と話した。

後継者の条件としては「5年から10年、私とともにソフトバンクの重要な経営に携わり、気心が知れて十分に同じ方向で経営を引っ張ること」を挙げた。「幻の後継者」への巨額報酬を「反省していない」とした発言には、後継者育成のために今後も孫社長の時間と資金をつぎ込むとの意志を込めたようだ。

一方で、サウジアラビアと共同で発足させた10兆円規模の投資ファンドについて、「単に投資を行うのではなく、同志的結合による企業集団を作りたい」と抱負を述べた。投資によるリターンを見込むだけではなく、投資先の企業と長期間をかけて相乗効果を生み、グループ全体での競争力を高めていく考えだ。

2017年3月期決算では保有する中国アリババ集団株の売却益などで純利益が初めて1兆円を超えた。孫社長は「数字にすぎない。金銭的な通過点にすぎない」と強調し、一段の利益成長に意欲を示した。(杉本貴司)

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