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国内市場鈍化、後れをとれぬ後発薬各社

沢井製薬は20日、米製薬のアップシャー・スミス・ラボラトリーズ(USL、ミネソタ州)の後発薬事業を約1175億円で買収すると発表した。アドバイザリー費用など関連費用の概算約20億円を含む。堅調に見える後発薬企業が海外で巨費を投じるのはなぜか。背景にあるのは頭打ちになりつつある国内市場への危機感だ。

日本政府はここ数年、薬剤師が後発薬への切り替えをしやすくしたり、後発薬を促すための加算金をつけたりと、矢継ぎ早に促進策を打ち出した。結果として後発薬各社の業績は絶好調だ。

ただ、バラ色というわけではない。国内の後発薬の市場規模は2016年度で約8300億円。20年度末までの、できるだけ早い時期に数量ベースで後発薬の比率を80%以上(現在は60%程度)にする目標を掲げるが、伸びはすでに鈍っている。さらに、後発薬であっても薬価引き下げの影響は避けられず、成長のためには海外へ、とりわけ世界一の医薬品市場である米国に関心が向く。

日医工は750億円を投じ、同業の米セージェント・ファーマシューティカルズを買収。東和薬品も水無しでも服用できる「ラクタブ」という製材技術を使う後発薬を米当局に申請して18年度をめどに米国に進出する。

沢井の場合、米国で発売する後発薬第1弾と考えていた脂質異常症治療薬の「ピタバスタチン」の発売が、当初予定の17年から23年にずれ込むというトラブルに見舞われた。このため他の製品を足がかりに米国での販売網構築を急ぐ必要に迫られていたことも自社の売上高に匹敵する額の買収を決断した1つの理由のようだ。

米国での事業基盤をどう整えるのか。後発薬各社の本当の競争はこれからだ。

(戸田健太郎)

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