2019年2月19日(火)

格安中継、スマホが主役 Jリーグ放映権2100億円で契約

2016/7/20 23:19
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Jリーグは20日、動画配信大手の英パフォームグループと2017年から10年間の放映権契約を結ぶと正式発表した。契約金額は総額2100億円強と年間ベースで現在の7倍に跳ね上がる。ところがパフォームは格安の料金で試合を中継するという。カラクリは映像の受け皿にある。スポーツ視聴の魅力を高める「ライブ」に強いスマートフォン(スマホ)が、従来のテレビに代わって主役になったからだ。

「ディナーではなくランチ程度でしょう」

Jリーグとの記者会見に出席したパフォーム日本法人のジェームズ・ラシュトン最高経営責任者(CEO)は、今夏に始めるスポーツの生中継サイト「DAZN」の定額料金を問われ、こう話した。

言葉通りに受け取ると1000円以下で見放題になる。現在、放映権を持つスカパーJSATが3000円程度。放映権は7倍なのにネットの視聴料金は3分の1以下になる計算だ。

パフォームが試合を配信するのはテレビではなくネット。ターゲットはスマホのユーザーだ。場所と時間を選ばないためテレビと比べ視聴者や広告収入の増加が見込めるとみる。結果が分かる前に観戦することに価値があるスポーツは、スマホ時代のキラーコンテンツとなりつつある。

スポーツのネット配信にいち早く目を付けたのが米大リーグだ。00年に30球団の共同出資会社を設立。同社の映像配信サービス「MLB.TV」がファンの間に浸透した。

近年はパソコンからスマホに主戦場を移し、放映権料の高騰を招いた。巨額の放映料収入を各球団に配分、戦力強化にあてる好循環を生み出し、1990年代に低迷した大リーグが復活する原動力となった。

「スポーツはライブ視聴が多くコンテンツとしての価値が高く、企業のスポンサーも付きやすい」(大手広告代理店)。米調査会社スタティスタによると世界のスポーツのスポンサー収入はこの10年で7割増えた。

「ライブ」の価値はスポーツに限らない。サイバーエージェントとテレビ朝日が4月に始めたネットテレビ「AbemaTV」は生放送が売りのひとつ。アプリのダウンロード数は3カ月で累計500万を超えた。

テレビ朝日の早河洋会長は「独自の生放送バラエティーは地上波の規制や約束事に縛られない」とメリットを強調する。LINEも昨年12月、企業や芸能人らがリアルタイムで無料動画を配信するサービス「LINE LIVE」を始めた。

Jリーグの巨額契約は日本の映像ビジネスの転換点を象徴しているといえそうだ。

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