2018年11月17日(土)

Airbnb、釜石市と民泊連携 自治体と国内初

2016/10/20 15:25
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米民泊大手のAirbnb(エアビーアンドビー)は20日、岩手県釜石市と観光促進に関する覚書を締結した。Airbnbが日本の自治体と手を結ぶのは初めてのことだ。釜石市は2019年に開催予定のラグビーワールドカップの会場の1つ。観光客の増加を見込み、いち早く協力を決めた格好だ。もっとも、旅館業法の絡みから規制緩和の実験区である国家戦略特区でないと手掛けられない民泊ビジネス。特区でもない釜石市が手を挙げられた裏には、一つの秘策があった。

釜石市の野田武則市長(左)とAirbnbのジョー・ゲビア共同創業者、20日、都内で)

Airbnb使った訪日客は6倍に

民泊とは自宅の空き部屋や使っていない別荘などに有料で旅行者を泊めること。訪日外国人客(インバウンド)の増加とホテル不足を背景に、利用者は急増している。2015年にAirbnbのサービスを使った訪日客は約138万人で、前年比6倍の水準に伸びた。

国内で宿泊施設として営業するには旅館業法で定める許可が必要だ。ただ足元でのホテル不足は深刻。現状では政府の国家戦略特区に限って民泊を旅館業法の適用除外として認めることになった。東京都大田区や大阪市が民泊を進める国家戦略特区となったが、Airbnbで提供される部屋の多くはいまだ「ヤミ民泊」であるのが実情だ。

「三陸地域の観光を促進」

国家戦略特区でない釜石市がAirbnbといち早く連携できたのは、すでにある枠組みを活用したためだ。その制度とは農林水産省が「グリーン・ツーリズム」の一環として推進する「農家民泊」。釜石市はこの制度を活用し、合法的に訪問客を泊められる農家をAirbnbに登録する。現在は20軒ほどの農家が同制度を活用しており、2019年までにサービスを始めたい考え。また、政府が民泊関連の法改正に踏み切れば、「紹介する部屋の幅も広げていきたい」(釜石市)としている。

釜石市の野田武則市長は「訪問客をお迎えできることを今から楽しみにしている。Airbnbと覚書を締結したことで三陸地域の観光を促進し、東日本大震災からの復興を加速したい」とコメントした。リオデジャネイロ五輪では8万5000人以上がAirbnb経由で民泊しており、ホテル業界の「黒船」の勢いはもう無視できない。

(岸本まりみ)

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