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ソフトバンク孫社長「世界で1兆回線」 IoT構想を語る

ソフトバンクグループの孫正義会長兼社長は20日、都内で開いた同社主催の法人顧客向けイベントで、あらゆるモノがネットにつながるIoT時代に向け「ソフトバンクは1兆回線つなぎたい」と展望を語った。

カギとなるのが昨年、3兆3000億円強で買収した英半導体設計アーム・ホールディングスとサウジアラビアと設立した10兆円ファンド。孫氏が描くIoTビジネスの輪郭が見えてきた。

ソフトバンクは日米で手掛ける固定電話と携帯電話に加え、出資先の米ワンウェブを通じて人工衛星からの電波網を提供する考え。地球上空に900基もの小型衛星を飛ばし、地上とのネットワークを確立。地球のどこにいてもインターネットと接続できるようにする壮大な構想だ。10兆円ファンドの実質第1号案件で、10億ドル(約1100億円)を出資して筆頭株主となっている。

一方で、孫氏はアームの技術を搭載した半導体が「今後20年で1兆個、世界中にばらまかれる」とも述べる。IoTが普及すれば、半導体が搭載されるモノはスマートフォン(スマホ)やクルマから身の回りの日用品に広がるからだ。

つまり孫氏は通信網とそれをつなぐ半導体というIoT時代のインフラを押さえにかかったというわけだ。さらに孫氏はこう話した。

「全ての人とモノがつながると、そこにデータが生まれる。情報革命で一番大切な資源はデータ。(IoTでは)データを得た者が勝つ」

今後は膨大なデータを集める企業への投資を加速する考えだ。利用するのは10兆円ファンド。狙いを定めるのは大企業ではなく将来の成長が見込めるスタートアップだ。この日はすでに出資を決めている有望株もお披露目した。

孫氏が「産業界のデータのプラットフォーム」と呼ぶソフトウエア開発の米OSIソフト、仮想現実(VR)開発ツールの英インプロバブル、農業の米プレンティ――。いずれも日本ではなじみが薄いがIoT時代を見据えた投資だという。

この日の孫氏の講演では、本業であるはずの国内携帯への言及はまったくなし。すでに関心が携帯の次に移っていることが浮き彫りになった。

(杉本貴司)

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