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どのような夢や技術があればより良き社会が実現できるか

学生からの提案 斎藤保IHI社長編(5月25日)

斎藤保さんの提示した「どのような夢や技術があれば、より良き社会が実現できるか」という議題に対するアイデアを募ったところ、多数のご投稿をいただきました。紙面掲載分を含めて、当コーナーでその一部をご紹介します。

技術のパズル

市地福太郎(13) 海陽学園海陽中等教育学校中学2年

それぞれの企業が培った技術のパズルを組み合わせ、今までにない技術を生み出すことを提案する。例えば地震などの自然災害に対して、防波堤は人々を救い、海水にぬれても農業を再開できる土に変える薬や技術は被災地の復興を支える。こうした技術の組み合わせは、一企業だとなかなか実現できない。時間がかかれば、被災地の復興に役立てない。色々な企業が得意な事を持ち寄り、新しい技術に生かすべき時代だと思う。

思いやりの技術

松田瞳(21) 横浜市立大学国際総合科学部4年

国籍を問わず、日本で生活する人が持つ最大の美点は他者を思いやる心ではないか。ものづくりの技術と同じく、世界に誇れる日本の素晴らしい「技術」といえる。財布を拾って警察に届ける行為や笑顔の接客、電車の整列乗車など、日本では当たり前だが世界に誇れる行動はこの技術があればこそだ。理系の技術者が作り出す物質的な価値(製品)と組み合わせれば、大きな力を発揮する「思いやりの技術」といえよう。

失わない技術

村瀬慎(21) 金沢大学理工学域機械工学類3年

車や飛行機、コンピューター。人間はこれまで「生み出す技術」を駆使して、体の各部位の能力を飛躍的に向上させる外部装置の開発を進めてきた。今度は、その制御に人間の「第六感」や「勘」に代表される潜在的な脳内情報を検知・視覚化する技術の開発を提案したい。原子力発電所やロケットの安全管理から、人体の微妙な違和感の感知まで応用可能だ。いわば事故や病気で「失わない技術」を磨くべき時がきた。

【以上が紙面掲載のアイデア】

環境を破壊しない気体

山口拓也(24) 東京理科大学理学部4年

私が考える、より良き社会を実現する夢や技術は「温暖化ガスを地球の外まで飛ばす気体」だ。今、世界は深刻な温暖化問題を認識しながら目先の利益ばかりを追って、自分達の家である地球に傷を増やしている。生物に無害で、温暖化ガスにだけ反応して結合し、宇宙空間まで上昇する気体の開発を提案する。この技術を応用し、温暖化ガスだけでなく、放射性物質や全ての生物に有害な物質と結合して宇宙空間に運んでしまう気体を開発できれば、より良い社会を実現できると考える。

記憶のデータ化と保存

大杉隼弘(21) 中央大学商学部3年

現代は医療技術の発達により長く生きる人が増えた一方で、認知症にかかる人も増えた。私の親族も認知症にかかり、先日は私のことをほとんど覚えていないようだった。そこで、私は記憶のデータ化とバックアップという技術を願う。認知症で大切な思い出を失っても、過去に保存したデータを脳に送って記憶をよみがえらせる。この技術が実現すれば、大切な人を忘れる苦しみも、大切な人から忘れられる悲しみも、記憶を取り戻すことで喜びに変わるだろう。家族のつながりを今まで以上に大切にする社会になるはずだ。

新たな貨幣と新たな社会経済

濱家大輝(21) 広島大学経済学部4年

全ての通貨を電子管理する技術があれば、人間らしさを伴った社会経済を実現できるのではないか。現在の経済的な豊かさは、貨幣という発明の恩恵が大きい。ただ、物事の本質を見失いがちにもなっている。貨幣も進化すべきだ。例えば貨幣の価値が時間とともに減る仕組みはどうか。人々は貯蓄せずに使い、実生活への関心を高めるだろう。所得や消費ではなく、貨幣の保有に課税すれば、税制はより効率的で公平になる。貨幣の流れを監視し、地下経済も排除できる。セキュリティなど課題はあるが、この夢の実現により、人々が経済を管理して生き生きと暮らす社会は近づくのではないか。

技術は誰かのために

石川萌依(20) 中京大学総合政策学部3年

私が夢として掲げるのは、どんなに技術が進化しても、人々の心に他人を思う優しさがあり続けることだ。ペリーが来航した1853年から160年余り、日本は大きく変わり、とても便利になった。例えばスマートフォン(スマホ)は、家でも電車でも歩くときでさえも手放せないのではないだろうか。ところが歩きながらスマホを使ってしまうと、人にぶつかり、自分が被害者になることもある。どんな技術も「誰かのために」というステキな思いから生まれたはず。私たちはどんなに便利な技術を駆使できるようになっても、他人を思う優しさを忘れてはいけないと思う。

世界共通の翻訳機

鷹崎健太朗(20) 神奈川大学経営学部3年

より良い社会には、世界共通の翻訳機が必要だと考える。言語の壁を越え、誰とでもコミュニケーションできる夢をかなえるためだ。英語は世界各地で使えるが、識字率の低い国などでは英語を習得することが難しい。母国語ではない言語を操るのも容易ではない。ただ、言語の壁を越えられれば、他人の価値観を理解し、深くコミュニケーションできる。私自身、オーストラリアに留学した際、タイ出身の人と話す機会があった。しかし英語もタイ語もうまく話せず、自己紹介に苦労した。自分の知らないことを知り、学ぶためにも、万国で使える翻訳機によって広い視野で世の中をみてみる。そのことが少しでも紛争や宗教対立の解決の糸口になればいい。

仮想世界を作る装置

森帆希(17) 長野県飯田OIDE長姫高等学校3年

仮想世界を作ったらよいと思う。脳に直接つながる装置があれば、自分の意識は仮想世界と自由に行き来できるようになる。そうなれば、友人にすぐ会いたいときは、仮想世界で簡単に会うことができる。実際に学校や仕事へ行かなくても、仮想世界の学校や職場に参加できる。病気や事故で体が思うように動かせなくなった人も、この技術を使えば、仮想世界の中で体を自由に動かせる。遠方の医師のアドバイスを受けたり、身体が回復するイメージをつかめたりして、医療にも役立つだろう。

中小企業の技術共有

植松伸斗(20) 神奈川大学経営学部3年

より良い社会を夢や技術によって実現する方法は、ベンチャー企業や中小企業の革新的な技術を可能な限り共有することだと考える。学生の大企業志向や業績不振など様々な課題を抱える中小企業は自社の技術を世の中にうまく発信できていない。大企業が続々と海外進出し、産業の空洞化が進む日本で中小企業の躍進は必須だ。そこで中小企業、ベンチャー企業の技術共有という夢を掲げたい。企業同士の提携を迅速に行い、革新する力を結集し、中小企業の世の中への貢献度を高めていくのだ。日本人のほとんどが中小企業に勤めている。ベンチャー企業の経営者の起業家精神を結集して、1つの大きな事業を発展させていくことができたら、より良い社会が実現できるだろう。

夢の技術を守る

佐々木浩允(23) 東京農工大学大学院工学府2年

ドローンは長年の技術の蓄積で生まれた夢の技術だ。簡便な輸送や災害時の活躍が期待される一方、プライバシー問題に注目が集まっている。安易に制限することは、技術革新を阻害してしまう。そこで「セキュリティ」、「気象観測」など技術の組み合わせで課題を解決し、より良い技術へ導いてはどうか。例えば3次元レーダーで上空の様子やドローンの飛行経路などを捉える。小型の気象計で突風やゲリラ豪雨を予測し、安全な飛行を確保する。技術の悪い面を議論しながら、技術の良い面をいかに利用できるか。夢の技術を実現しようとする意思が社会の発展につながると考える。

無災害国家の実現

常井裕輝(21) 上智大学法学部3年

マチュピチュやバベルの塔、シーギリヤなどの「天空都市」。飛行機を発明したライト兄弟に、ロケット技術開発のブラウン博士。人は天に憧れ続ける。世界最初の船舶や楔形文字を使用したとされるシュメール人は、自らを天から来た人々によって作られたと信じていたともいう。ならば、天に、雲上に都市を作ってはどうだろう。反重力技術の開発や、比推力可変型プラズマ推進機に利用される技術を使い、人類の夢である浮遊する都市群を建造する。個人の都市間の移動にはジェットパックを利用する。雲上では、地震、台風、津波、竜巻など現在我々が苦しんでいる地上における災害を避けることができ、隕石(いんせき)以外の災害はなさそうだ。人類の夢のため、人類の生存のために実現してもらいたい。

二酸化炭素をなくす

露木光太郎(18) 明治学院大学法学部1年

よりよい社会を作るには、地球温暖化を止める技術が必要だ。エネルギー使用の抑制による二酸化炭素の排出削減は、経済成長の足かせとなるため、限界がある。ならば、排出量を減らすのではなく、排出した二酸化炭素を分解してはどうか。二酸化炭素は酸素と炭素の結合でできる。逆に分離できれば、二酸化炭素をなくすことができる。現在の技術では多くのエネルギーが必要だが、もし集めた二酸化炭素を簡単な作業で分離できたら、どれほど人類が救われるだろう。今の段階では難しいが、現代の多くの科学技術は数十年前には実現不可能だった。それなら数十年後に生きる人々が、考えもつかない技術で人類を救うと考えても良いのではないだろうか。

献立機能付きアプリ

小松瑞果(19) 関西学院大学国際学部2年

「健康的でおいしい食事を楽しみたい」これは全てのビジネスパーソンの望みではないか。そこで「献立アプリ」を提案したい。まず目立たないサイズとデザインの専用リストバンドを装着し、血圧や体組成のデータを蓄積・分析する。アプリはデータをもとに、健康状態や個人の好みに合わせた献立を提示する。例えば、主菜を選ぶと副菜の選択肢が示され、調理済みの食事パックの宅配も予約できる。この情報データを使った仕組みにより、健康増進と食事を楽しむことが両立でき、働く人々の暮らしを豊かにするだろう。

次回の未来面

次回、6月1日掲載の未来面で提示する課題は、LIXILグループ社長・藤森義明さんの「AIとロボットは、30年後の暮らしをどう変えるか?」です。広く皆さんからのアイデアをお待ちしております。

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