英ボーダフォンとインド携帯大手、事業統合
【ニューデリー=黒沼勇史】英携帯通信大手ボーダフォン・グループと、インド携帯大手アイデア・セルラーは20日、インド事業の統合で合意したと発表した。ボーダフォンの現地法人は同国2位、アイデアは3位。2018年をメドに済ませる統合後は加入者4億人弱の同国最大手になる。10社を超える企業が乱立していた世界2位の携帯通信市場で再編の動きが加速してきた。
英ボーダフォンはまず統合会社への出資比率を45%、アイデアの親会社アディティヤ・ビルラ・グループは26%とする。その後、アディティヤはボーダフォンから統合会社株を徐々に買い増し、最終的には出資比率を均等にする方針だ。
ボーダフォン現法とアイデアの利用者数(アクティブユーザー数)はともに16年末で1億9千万件強で、シェアもともに19%台。最大手の印バルティ・エアテル(シェアは26%)も2月、ノルウェーの同業テレノールの現法買収を発表したが、「ボーダフォン・アイデア」連合が加入者で最多になる見通しだ。
携帯市場が世界2位のインドでは普及率が8割に高まり、10社超の事業者間で価格競争が激化している。利益が伸び悩む中でデータ通信が新たな主戦場になるが、投資負担が増し、合従連衡の動きが活発化している。英ボーダフォンは今回の統合で現法を連結会計から外し、連結純債務を82億ドル(約9200億円)減らすと強調している。
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