2019年1月17日(木)

任天堂株、急反落 「ポケモンGO旋風」ひと休み

2016/7/20 14:02
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任天堂の株価に逆風が吹いた。20日午前の東京株式市場で4日ぶりに反落。前場終値は2万7650円で、前日終値比4120円(13%)安となった。3万円の大台を割り込んだ。後場に入り、下げ幅は一時さらに拡大した。スマートフォン(スマホ)ゲーム「ポケモンGO」が米国を中心に大ヒットとなり、前日までの7営業日で株価は2.2倍に上昇。任天堂の時価総額は4兆5000億円を超えていた。そんな夢うつつの投資家心理を我に返らせた材料は3つある。

スマホ用ゲーム「ポケモンGO」人気が広がっている

■「説明できるとは考えがたい」

1つは、証券アナリストの評価だ。上昇が始まったころには株価の強含み予想が相次いだが、「短期間で増加した時価総額2兆円超を業績数字で説明できるとは考えがたい」(UBS証券の武田純人アナリスト)との指摘が出てきている。

「任天堂人気はまだ続くだろう」という見方は多いものの、市場関係者の間では、「期待先行かもしれない。今のような株価は長持ちするのだろうか」という懸念も入り交じる。ここにきて、ぽつりぽつりと弱含みの予想が増え始めているのだ。

ポケモンGOは米ゲームベンチャーのナイアンティックと任天堂、ゲーム企画会社のポケモンが共同で開発。6日に米国、オーストラリア、ニュージーランドの3カ国で配信が始まり、現在は欧州やカナダなど30カ国以上で提供し、爆発的なブームを起こしている。

しかし、ゲームの課金収入が増えていったとしても、任天堂そのものの業績への効果は分散する。今後、任天堂が自社で関連グッズを開発・販売したとしても、どれだけの収入増に結びつくかは分からない。

もう1つは、ホームグラウンドの日本でのサービス開始時期が見えにくいこと。20日は、IT情報サイトのテッククランチが「20日の予定を延期する」と伝えたことも重なり、株価が大きく下がったとみられる。

最後の1つは、「ポケモンGOで日本マクドナルドホールディングスと提携する」との米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)の報道が引き金かもしれない。報道によると、そのスポンサー企業として日本マクドナルドが挙がっているという。

■日本マクドナルドとの提携は賭け?

マクドナルドとの提携では、同社の店舗を「ゲームのカギとなる場所」として提供すると報じられている。具体的にはモンスターを捕まえたり、ゲーム内で使う道具を手に入れたりできるようにして集客につなげる狙いがあるとみられている。

ポケモンGOのビジネスモデルが種明かしされ、「商魂が浅ましい」と見られたりすれば、熱狂的なファンを興ざめさせかねない。市場は従来から任天堂の「新たな遊び方を提案する力」を評価してきた。マクドナルドでスマホをいじる姿に新鮮味はない。

学校が夏休みを迎える中で、虫取り網と虫かごをスマホに持ち替え、虫ではなくポケモンを捕まえようと街や野原に繰り出す子どもたちの姿にこそ新しさがある。

任天堂の家庭用ゲーム機「Wii(ウィー)」は1人でコントローラーを握りしめてゲームを楽しむのではなく、家族や友人たちと一緒に体を動かして楽しむスタイルを生み出した。ポケモンGOでも、任天堂は「新しい遊び方」を提供し続けていけるのか。底力が試される。

(湯田昌之)

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