新素材開発「速く安く」 三菱ケミ、三井化など共同研究

2017/6/19 17:59
保存
共有
印刷
その他

三菱ケミカルなど化学4社と国立研究開発法人の物質・材料研究機構(茨城県つくば市)は19日、新素材の事業化を目指す共同研究を始めると発表した。各社が技術者と既存の知見を持ち寄り、新素材開発のためビッグデータを使った物性予測や基礎データの取得、人工知能(AI)活用に取り組む。基礎研究までを共同で実施し、各社が個別に手がける事業化までの期間を短縮する。

MOPの発足を発表した化学大手4社の幹部と物質・材料研究機構の橋本理事長(中)(19日、都内)

MOPの発足を発表した化学大手4社の幹部と物質・材料研究機構の橋本理事長(中)(19日、都内)

立ち上げたのは「マテリアルズ・オープンプラットフォーム(MOP)」。化学業界からは三菱ケミカル、住友化学旭化成三井化学が参加する。初年度は高分子の基礎データの蓄積、データベースの構築、材料研究へのビッグデータの応用(マテリアルズ・インフォマティクス=MI)に取り組む。持ち寄る予算規模や人員数は今後決める。

「もう個社で戦う時代ではない」(旭化成の山岸秀之上席執行役員)、「材料を支配するのはスピードとコスト」(住友化学の小川育三専務執行役員)。19日に都内で開いた記者会見では、各社幹部からこんな発言が相次いだ。これはそのまま日本の素材産業に共通する危機感の表れでもある。

グローバルな素材産業では欧米や中国の企業を中心に買収額が1兆円を超える巨大再編が相次ぐ。同時に欧米では「個別最適」に頼りすぎるリスクを避けるため、デジタル技術を取り入れながらスタートアップ企業との連携で研究開発を急ぐ動きも広がっている。

このまま日本企業が重複する領域の研究開発を個別に進めても、競争力を維持するのは難しい。同じ業界でしのぎを削ってきた4社は大同団結することで、より素早く、高性能な新素材が生み出せるとみる。MOPは日本国内の知見を共有するため、今後も日本の化学メーカーの参加を募る方針だ。

(新田祐司)

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]