2019年7月24日(水)

任天堂株、一時1カ月ぶり安値圏 「マリオラン」評価分かれる

2016/12/19 11:51 (2016/12/19 15:34更新)
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任天堂の株価が試練に見舞われている。16日(日本時間)にスマートフォン(スマホ)向けのゲーム「スーパーマリオラン」の配信を始めたが、ゲームがどこまで人気を集められるかをめぐり、評価が分かれているためだ。19日の東京株式市場で任天堂株は5日続落。朝方から売り注文が広がり、一時前週末比8%安と約1カ月ぶりの安値圏に下落。7%安の2万4540円で取引を終えた。

「スーパーマリオラン」はマリオシリーズとしては初のスマホ向けゲーム。16日から世界151カ国で米アップルの「iPhone」など向けに配信を始めた。アイテムやゲームのステージごとに段階的に課金するのではなく、一部のみが無料で残りは1200円の「買い切り型」で遊ぶのが特徴だ。

任天堂の代名詞ともいえる主要コンテンツのマリオがスマホに登場するとあって、株式市場でも事前の期待は大きかった。「ポケモンGO」のヒットに続いて、スマホゲームで再び消費者の関心を集めることができれば任天堂の成長戦略にはずみがつく。株価は11月初旬の安値から約1カ月間で3割強上昇し、配信開始直前の12日には約5カ月ぶりに3万円台を回復した。

ところが、配信開始後、株式市場は一転して任天堂株への売りに傾いた。iPhone向けのアプリを配信するアップストアでの人気ランキングで、スーパーマリオランは米国、英国、フランス、オーストラリアなど各国で首位に立ったものの、日本では19日時点で4位。ユーザーからは「無料で遊べる部分が少なすぎる」などといった評価も出て、目先の利益を確定する動きが広がった。

ゲームの開発・運営で協業するディー・エヌ・エーが11月の直近高値から2割安と下げ止まらないことも投資家の弱気心理を増幅させている。ディーエヌエは情報まとめサイトなどの「キュレーションメディア」で無断転載された記事や不正確な情報が大量に含まれていた問題で株価が急落。「ほかの事業への波及についても注視する必要がある」(いちよし経済研究所)との声もあり、協業する任天堂の株価にも売り圧力がかかりやすい。

スーパーマリオランの内容自体への評価は悪いものばかりではない。野村証券の山村淳子氏はテレビゲーム機で一世を風靡した「スーパーマリオブラザーズ」と同じように、「徐々に難易度が上がり、何度も同じコースが楽しめるなどの特徴が、十分なクオリティーを維持したままスマートデバイスに最適化されている」とみる。

短期売買の個人投資家や海外勢などが利益確定を急ぐ一方で、様子見を続ける人もいる。ドルトン・キャピタル・ジャパンの松本史雄氏は「『スーパーマリオラン』の成否だけで任天堂の事業構造や成長戦略の方向性が大きく変わるわけではない」として、現時点では中立にしている任天堂株の持ち高を変えるつもりはないという。

任天堂は2017年3月には新型ゲーム機「Nintendo Switch(ニンテンドースイッチ)」を発売する予定で、新型機の売れ行きは「(スマホ向けゲームよりも)大きな根本的なカタリスト(株価の変動要因)になる」(ドイツ証券)との声もある。

(富田美緒)

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