2019年6月27日(木)

石油元売り、アジアに活路 出光はベトナムで小売り参入

2016/4/18 21:51
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石油元売り各社がアジア市場への進出を加速している。出光興産は18日、ベトナムで石油製品の小売事業に参入すると発表した。2017年夏に運転を始める製油所と合わせ、精製・販売一体で事業を展開する。国内の石油需要が減り続けるなか、JXエネルギーといった他の元売りも海外に軸足を移す。経営統合で生み出した収益をアジアに投じ成長を加速する。

「石油精製・販売はアジアでは成長産業だ」。出光の松下敬常務は18日に開いた記者会見で、ベトナムでの小売り参入の狙いをこう指摘した。製油所事業で組むクウェート国際石油(KPI)と折半出資会社を設立。17年中に首都ハノイで最初の給油所を開き、順次増やしていく。

ベトナムの人口は約9150万人。車の普及台数は約240万台とまだ少ない一方、バイクは4160万台と保有率は高い。石油製品需要は日量約25万バレルあるが、国内には製油所が1つしかなく、大半を海外からの輸入に頼っている。

17年夏にはKPIやベトナム国営石油会社のペトロベトナムと手がけるニソン製油所が運転を始める。日量約20万バレルの原油を処理できる最新鋭の設備で精製したガソリンや軽油を給油所で販売していく。

出光と同様、他の元売りも海外への進出を加速している。JXエネはベトナムで石油精製・販売事業に乗り出す。14日に国営石油会社のペトロリメックスに8%を出資すると発表。石油製品販売で約50%の国内シェアを持つ同社と、給油所の運営や製油所の新設で連携する予定だ。

JXエネとの経営統合を進める東燃ゼネはオーストラリアに進出している。豪州は製油所が相次ぎ閉鎖され、石油製品需要の約4割を輸入に頼っている。東燃ゼネは現地企業と合弁で石油製品の輸入基地を建設。ガソリンなどを販売する現地企業2社を買収し、事業を拡大している。

日本では少子化やエコカーの普及で石油製品需要が年2~3%ずつ減り、40年には現在の半分近くまで落ち込むとの予測もある。一方、アジアは40年に現在より6割増加し、日本の15倍にもなるという。経済成長が続くアジアは「原油価格が低くても利益を確保できる市場」(出光の松下常務)だ。

出光は昭和シェル石油と早ければ今年10月に、JXエネと東燃ゼネも来年4月に統合新会社の設立を予定している。出光・昭シェルは500億円、JX・東燃ゼネは1000億円の統合効果の創出を目指し、製油所や油槽所の統廃合に取り組む。出光の月岡隆社長は「アジアへの展開力を高めるのが統合の重要な目的だ」と強調する。

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