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東芝、2年で3万4000人減員 規模縮小で再建急ぐ

新卒採用を中止

東芝は18日、経営再建に向けて半導体とエネルギー、社会インフラの3事業に集中する事業計画を発表した。不採算事業の見直しや益出しのための子会社売却により、2017年3月期の連結人員は15年3月期に比べて3万4千人減る。売上高も1兆7千億円目減りし、直近のピークである同期より約3割減となる。いったん身を縮めて利益体質を取り戻し、攻勢に転じる機会をうかがう。

東芝はこれまでNAND型フラッシュメモリーを主力とする半導体と、原子力発電設備が中心のエネルギーが2本柱だった。その次の成長領域としていた医療機器子会社、東芝メディカルシステムズをキヤノンに売却するため、ビル設備などの社会インフラを今後の第3の柱と位置付けた。

白物家電事業は中国・美的集団への売却で基本合意したほか、パソコン事業も富士通やVAIO(バイオ、長野県安曇野市)との統合交渉を続ける。17年3月期の売上高は4兆9千億円と16年3月期見込み比で2割減る見込み。ただ不採算部門も少なくなり、営業利益は1200億円(16年3月期見込みは4300億円の赤字)と黒字転換を果たす青写真を描く。

17年3月期末の人員は早期退職や事業売却により2年前に比べ国内外で3万4千人減る計画。室町正志社長は18日に開いた記者会見で「構造改革の成果を17年3月期につなげて全事業の黒字化を達成する」と強調した。

半導体ではNAND型フラッシュメモリーに3年間で計8600億円を投じる。四日市工場(三重県四日市市)で製造棟を新設するほか、次世代メモリーへの設備切り替えに資金を振り向ける。

エネルギーは引き続き原子力発電を中核事業と位置付ける。傘下の米ウエスチングハウス(WH)を含む原子力事業の売上高は17年3月期に前期比約2割増の8700億円を目指す。WHの最新鋭原子炉によりインドで6基の受注を見込むなど30年度までに世界で45基の受注目標を掲げる。設備投資は当面、原子力発電とフラッシュメモリーに集中。ほかの事業は原則として老朽化による設備更新にとどめる。

エレベーターや空調、防災システムなどの社会インフラ事業は第3の柱とする位置付けを明確にした。「国内ではこれまでも安定収益を稼いでいるが海外は成長余地が大きい」(志賀重範副社長)。医療機器に代わる新たな成長事業としてリチウムイオン電池やスマート電力計などを育てる。

組織も見直す。7つある社内カンパニーは半導体、エネルギー、インフラ、ICT(情報通信技術)関連の4カンパニーに今年4月に再編成する。17年4月入社の東芝本体の新卒採用は中止する。役職者の給与減額も来月から拡大する。

国内外のリストラは順調に進んでいる。パソコンは4月に分社する。ただ富士通、VAIOとの事業統合交渉は予定より遅れる。室町社長は「方向性は一致しているが条件を集約できていない」と述べ、6月までに決着させたい意向を示した。

日本の電機大手はリーマン・ショック後に大規模な赤字に陥った後、不採算事業を切り出して収益体質の回復を急いだ。日立製作所はハードディスク駆動装置を売却し、液晶パネルを分離。売上高を落とす一方、利益率を引き上げて経営を安定させ、サービスや企業向け製品を軸とした経営への転換で成長軌道を取り戻した。東芝も得意分野に集中し、安定して稼ぐ体質への移行を急ぐ。

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