2019年2月24日(日)

ソフトバンク、英半導体会社買収に3.3兆円 IoT事業の布石

2016/7/18 23:33
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ソフトバンクグループは18日、英の半導体設計大手アーム・ホールディングスを約240億ポンド(3兆3000億円強)で買収すると発表した。日本企業による海外企業へのM&A(合併・買収)では過去最大。スマートフォン(スマホ)用CPU(中央演算処理装置)などに広く使われるアームの半導体技術を取り込み、あらゆるモノがインターネットにつながるIoT事業の布石にする狙いだ。

日本企業による海外企業の買収金額としては、ソフトバンクが2013年に米スプリント買収に投じた216億ドル(約1兆8000億円、当時)を上回り過去最大となる。アームの全株式を現金で買い取る。一株あたりの取得額は17ポンドで15日終値に43%のプレミアムを上乗せした。9月までの買収完了をめざす。

買収額のうち7割にあたる167億ポンドは手元資金から拠出する。中国のネット通販最大手アリババ集団やフィンランドのゲーム大手スーパーセル、ガンホー・オンライン・エンターテイメントなど保有株を立て続けに売却して得た約2兆円が元手となる。残る73億ポンドは新規の借入金をあて、みずほ銀行と最大1兆円のブリッジローン(つなぎ融資)契約を結んだ。

アームは半導体の設計に特化した企業で、顧客が1個売るごとに数円から数十円のライセンス料を得る仕組み。米クアルコムや韓国サムスン電子など世界の半導体大手を顧客に抱える。スマホの性能を左右するCPUや通信用半導体の9割以上に使われている。

15年3月期の売上高は9億6830万ポンド(約1350億円)にすぎないが、純利益は3億3970万ポンドと売上高に占める比率が35%に達する。純利益も2年間で3倍強に急成長している。

アームの強みは導入コストの安さと消費電力の低さだ。ソフトバンクはIoTが一段の成長を促すと期待する。自動車や家電、インフラ機器などがネットとつながれば、スマホで築いたシェアを生かして「黒子役」として用途が格段に広がるとみる。アームの技術が使われる半導体は年間出荷数は今後5年で約5倍の710億個に達すると予測している。

18日にロンドン市内で会見したソフトバンクの孫正義社長は「アームは中核的事業になる」と述べた。今後5年でアームの従業員の半数を占める英国内の雇用を倍増させる意向を示した。

一方で、携帯電話などソフトバンクとの既存事業との相乗効果については「将来的に色々な可能性があり得るレベル」とも話し、当面は本業との関連性は薄いとの認識を示した。経営面ではアームの「独立性を維持したい」と説明。孫氏自身は「中長期的な戦略に関わっていきたい」と、一定の関与にとどめる意向を示した。

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