トヨタの鋼材卸値、3年半ぶり上げ 部品会社向け
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トヨタ自動車が部品メーカーに卸す自動車用鋼材の2017年度上期(4~9月)の価格が16年度下期に比べ大幅に上昇する見通しとなった。上げ幅は1トン1万4千円程度とみられ、近く部品メーカーに通知する。値上げは3年半ぶり。トヨタが決めた価格は製造業の間で一定の影響力を持っており、家電製品や造船など幅広い業界で収益の圧迫要因となりそうだ。
トヨタと鋼材調達先である新日鉄住金は半期に1度、鋼材価格を決めている。トヨタはこの価格で鋼材を大量に調達、部品メーカーへ卸している。17年度上期については、トヨタと新日鉄住金の間で取り決める16年度下期(16年10月~17年3月)の鋼材価格が反映される。
16年度下期は鉄鋼原料となる石炭の価格が大幅に上昇。鉄鉱石も需給逼迫で値上がりしており、トヨタが新日鉄住金から調達する鋼材価格も大幅に上がった。この結果を受け、部品メーカーに卸す価格の引き上げも避けられなくなった。
トヨタと系列各社にとって値上げは痛手となりそうだ。鋼材を使う電機や造船など他の業界でも収益悪化懸念が強まるのは確実で、一層のコスト削減が求められる。