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AIタクシー、30分後の需要エリア予測 NTTドコモが公開

NTTドコモは17日、人工知能(AI)を使ってタクシーに乗りたい客の数を予測する「AIタクシー」を公開した。スマートフォン(スマホ)の位置情報から人の流れをよみ、過去の乗車実績や天気予報も参考にしながら30分後の需要を地域別にはじき出す。運転手は空車での走行を減らせ、利用者はタクシーをつかまえやすくなる。

都内を走るタクシーの車内。停車時に運転手の木村敏夫さんがタブレット(多機能携帯端末)を手にした。画面には周辺の地図が表示され、地域別に赤や青など色分けされている。なにやら数字も見える。

ドコモが富士通などの協力を得て開発した乗車需要予測システム「AIタクシー」が予測した乗車需要だ。赤色は需要が多く、青色は少ない。数字はタクシーを待つ客数の予測値だ。500メートル四方のエリアごとに30分後の乗車需要を10分単位で予測して地図に色と数字で示す。

木村さんは近くで需要がありそうな場所を見つけると、車を向かわせた。5分ほど走って目的地付近に着くと、木村さんは「いた」とつぶやいた。歩道に目を向けると荷物を抱え、スマートフォン(スマホ)を握りしめながら急いだ様子で車の流れに目をやる女性の姿があった。この日は記者が乗車中だったので客は拾えなかったが、木村さんは「指示どおりに走らせると客を見つけやすくて助かる」と話した。

客を降ろした直後にタブレットを見て、客が多そうな場所に向かうという。AIタクシーを試験的に使い始めてから木村さんの売り上げは2割増えた。2倍に伸びた運転手もいるという。

乗車需要はタクシーの乗車実績や天気予報に加え、ドコモが基地局を通じて集めた匿名の携帯電話利用者の位置情報から町中の人の動きをビッグデータ分析して予測する。実用化すれば経験の少ない運転手でも客を拾いやすい。「土地勘がない地域を走る際に特に役立つ」といった声も上がっているという。「利用者もタクシーを拾いやすくなる」(ドコモの谷直樹IoTビジネス部長)。

ドコモは2016年6月に実験を開始。東京無線協同組合(東京・新宿)のタクシー4425台の乗車実績をAIに読み込ませて予測システムを開発し、タクシー12台に搭載して効果を検証しながら完成度を高めた。予測した需要と乗車実績の件数の誤差が20%以内におさまる確率は9割を超えたという。

12台に乗務した26人の運転手の12月の売り上げは平均で前月よりも1日あたり6723円増えた。伸び幅は東京無線の運転手全体の1.5倍に相当するという。

東京無線のタクシーの走行距離は4425台の合計で1カ月に2914万キロメートル(2016年12月実績)。うち空車での走行は1554万キロメートルと半分を超える。東京無線協同組合の橋本栄二郎常任理事は「空車時は客を探しながら走るためドライバーの負担が大きい」と話し、「労働環境の改善にもつながる」と期待する。

成果をふまえドコモはタクシー会社に導入を働きかける。2017年度下期の実用化をめざす。

(大和田尚孝)

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