マクドナルド再生模索 131店閉店・人員削減…
日本法人2期連続赤字へ

2015/4/17付
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外食世界最大手のマクドナルドが顧客離れに苦しんでいる。画一的なメニューやサービスが飽きられるなど同社の事業モデルに世界各地で逆風が吹く。日本マクドナルドホールディングスも16日、2015年12月期の最終損益が380億円の赤字になる見通しだと発表した。2期連続の赤字となる。グローバルブランドに再建の可能性はあるのか。

16日、業績の見通しを発表するカサノバ社長(東証)

16日、業績の見通しを発表するカサノバ社長(東証)

2000店を改装

同日記者会見した日本マクドナルドのサラ・カサノバ社長兼最高経営責任者(CEO)は冒頭「取締役一同、厳しい業績の責任を強く感じている」と陳謝した。今期は売上高が2千億円と前期比10%減。01年の上場以来、最大の赤字となる。

再建策では今後4年で全3千店のうち約2千店を改装する。採算の改善が見込めない131店舗は年内に閉める。早期退職制度で従業員を100人減らすなど年約160億円のコスト改善を見込む。16年12月期に最終損益の黒字転換を目指す。

足元の業績悪化の要因の一つは、使用期限切れ鶏肉の問題による客離れだ。年明けには異物混入問題も表面化した。顧客の信頼を一気に失い、1~3月の既存店客数は2~3割減少した。

世界に目を転じると客離れは日本だけの問題ではない。2月のマクドナルドの世界売上高は前年同月比1.7%減。売上高の3割強を占める本拠の米国でも健康食人気に押されている。食品添加物などを減らし「食の安全」を売り物にする新興バーガーチェーンに顧客を奪われている。

約2千店を展開する中国でも同様だ。「もうマクドナルドに半年以上行っていない」。北京で働く30歳代の女性は話す。以前は頻繁に昼食時の出前サービスを利用していた。昨年夏に使用期限切れ鶏肉問題が発覚してから利用をやめた。台湾系のファストフードチェーン「徳克士」(ディコス)が同様に全国に2千店を出店するなど新規参入組との競争も激しい。

独自色で仏復調

マクドナルドは立ち直るのか。そのヒントはフランスにある。同国のマクドナルドの14年売上高は3%増。メニューにはフランスパンやカマンベールチーズ、クロワッサンなどフランス人になじみの深い商品が並ぶ。

現地法人は米本社を説得し、独自のメニューを出せる裁量権を広げることができた。マクドナルド・フランスのプティCEOは「我々は世界統一のモデルから個人に合わせたモデルに変わろうとしている」と話す。

米国でも飼育過程で抗生物質を投与した鶏肉の使用をやめるなど「不健康」というイメージの払拭に着手した。定番メニューの一部を削減して顧客の待ち時間を減らす。顧客がタッチパネルで好きな具材を選べる「オーダーメード・バーガー」を年末までに全米2千店に広げる。

日本マクドナルドが一連の品質管理問題で受けた傷は深い。しかしより根深い問題は顧客ニーズに商品やサービスが合っていなかった点にある。カサノバ社長も記者会見で「かなり前から顧客の期待にこたえられていなかった」と認める。

今回の再建案では5月から地区本部制を導入することを決めた。全国を3地域にわけて各本部に店舗運営やマーケティングなどの権限を委譲し、店舗ごとの販促活動を強化する。フランス流に一歩近づくといえる。

具体的なメニューの見直しはこれからの作業となる。各地域への権限委譲といった再建策がどこまで即効性を持つかは不透明な部分も残っている。今期の大幅赤字からV字回復できるかどうか予断を許さない。

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