マツダ、北米へEV・PHV トヨタと開発検討
マツダは2019年までに北米で電気自動車(EV)を発売する。21年以降にはプラグインハイブリッド車(PHV)も投入する。18年に米国内で「排ガスゼロ車(ZEV)規制」が強化されることに対応する。モーターなどの電動技術では提携するトヨタ自動車との共同開発を検討する。17年にはディーゼル車も導入し、北米でエコカーの品ぞろえを増やす。
車重が走行距離に影響するEVは小型車、ガソリンエンジンも搭載するPHVは中大型車向けに開発する。EVではマツダ独自の技術であるロータリーエンジンを発電機に利用することを検討する。ガソリンを電気の力に変え、EVの弱点である走行距離を延ばす。日本市場へのEV・PHV投入は未定だ。
モーターや電池など駆動システムに関する技術はトヨタとの連携を検討する。マツダは独自開発したEVを国内で販売した実績があるが、ハイブリッド車(HV)ではトヨタから技術供与を受けている。クルマそのものは別々に開発して差異化を図る一方、バッテリーなどの共通する部品や技術面では連携して開発にかかる費用の節減や期間の短縮につなげる。
米国では18年にカリフォルニア州でZEV規制が強化される。HVはZEVと認められず、各メーカーは販売台数に応じて、EVやPHV、燃料電池車(FCV)を一定数売ることが義務付けられる。マツダも対象となるため、電動車両の北米投入を決めた。
ディーゼル車は17年春に全面改良する多目的スポーツ車(SUV)「CX-5」にディーゼルエンジンを搭載し、夏以降に発売する。厳しい環境規制に対応するため、日本向けには導入していない大気汚染物質の回収装置を使う。米国のディーゼル販売台数は全体の約2%と少ないが、力強い走りや燃費の良さに対する潜在的なニーズは大きいとみている。