「変革生める環境に」 三菱地所社長に吉田氏

2017/2/16 17:22
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三菱地所は16日、吉田淳一取締役兼執行役常務(58)が4月1日付で社長に昇格する人事を発表した。杉山博孝社長(67)は同日付で取締役会長に就く。杉山氏は東日本大震災のあった2011年に社長に就任して以降、厳しい経営環境の中で主力のオフィスビル事業を立て直し、収益力の回復にめどをつけた。17年度から新たな中期経営計画を始めることもあり、経営体制を刷新する。

社長就任が決まり会見する吉田新社長(左)と杉山新会長(16日午後、東京・丸の内)

社長就任が決まり会見する吉田新社長(左)と杉山新会長(16日午後、東京・丸の内)

16日都内で開いた記者会見で吉田取締役は「当社が守るべき信念・理念を見失うことなくまっすぐ進みたい。従業員が変革を生み出せる環境づくりにも取り組みたい」と抱負を述べた。杉山社長は吉田氏について「大局観をもってモノを見渡すことができ、胆力もあってこれからの変化の激しい時代の社長にふさわしい」と評した。

三菱地所は17年3月期に連結営業利益が前期比11.3%増の1850億円と9期ぶりに過去最高を更新する見通しだ。今期は大手町フィナンシャルシティや大手門タワー・JXビルなど、新規オフィスの賃料が業績に寄与。経常利益も08年3月期の最高益1621億円に迫る1620億円の見込みだ。

杉山社長は就任後、主力のビル事業の環境が厳しい中で収益回復に道筋をつけたほか、15年には東京駅前の常盤橋街区に地上約390メートルの日本一の超高層ビルなどを建設する再開発計画をまとめた。同計画は総額1兆円超の事業になる見通しで、4棟を27年度までに順次完成させる予定だ。

新社長に就く吉田氏は管理畑が長く、震災後は災害に強いビル管理や開発の事業に力を入れるなど、主力のビル事業の持続的な成長に取り組んできた。

三菱地所は4月1日付で社長直轄で「働き方改革推進委員会」を設置し、長時間労働の是正や生産性向上などに取り組む。17年度下期には大手町ビル(東京・千代田)から大手町パークビルディング(同)に本社を移転し、「模範となるワークスペースをつくっていきたい」(吉田氏)という。

今後、東京でも都心部ではオフィスビルの大量供給もあって競争激化が予想されている。同社の歴代トップが取り組んできたように、丸の内地区以外の事業、いわゆる「丸の外」の育成も引き続き経営課題だ。吉田氏はビル以外の商業施設や海外事業といった分野の強化にも注力する必要がありそうだ。

吉田 淳一氏(よしだ・じゅんいち)82年(昭57年)東大法卒、三菱地所入社。12年執行役員、14年常務執行役員、16年取締役兼執行役常務。福岡県出身。
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