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若者・女性ライダー市場開拓へ小型車投入 ホンダやヤマハ発

二輪車メーカーが若者や女性を狙った小型車を相次ぎ投入する。ホンダは16日、原付きスクーター「タクト」(排気量50cc)を23日に発売すると発表した。同規模では燃費性能が最高で価格も既存車に比べて2割引き下げ、学生らにも手が届きやすくする。ヤマハ発動機は免許取得を金銭的に支援するキャンペーンも展開する。バイク市場は下げ止まったが中高年頼みの状況で、次は入門者の獲得に力を入れ、長く続く顧客に育てる。

「市場開拓の先兵として期待している」。二輪販社のホンダモーターサイクルジャパンの加藤千明社長は同日都内で開かれた発表会で新しい顧客をつかむ決意を示した。

タクトはガソリン1リットルあたり80キロメートルの燃費性能。女性や小柄な人でも乗りやすいよう、タクトよりシート高を1.5センチ低くした「タクト・ベーシック」も用意した。価格はそれぞれ17万2800円、15万9840円に抑えた。車体もブルーや赤といった若者好みの色を豊富にそろえるなど、若者の「バイク離れ」に歯止めをかける考えだ。

2タイプのタクトの合算でホンダの50ccで最も販売数量の多い車種になると見込んでいる。50ccの日本市場の2割のシェアを獲得する目標だ。

ホンダは2014年に過去最高水準の35車種のバイクを売り出した。15年も26車種前後と多数の発売を計画する。原付きスクーター「Dio110」(110cc)を大幅刷新するのに加え、50ccでもさらに1車種を投入する。同社の国内バイク事業は小型車のてこ入れで14年を上回る21万5000台の販売を目指す。

他社も若者を意識した小型車を拡充する。ヤマハ発動機は電動バイク「E-VINO(イービーノ)」を年内に発売する。エコや維持費の安さを打ち出す。ガソリンスタンドに寄る必要が無く女性に好まれるとみている。スズキも10年ぶりに大幅刷新した原付きスクーター「レッツ」(50cc)や新型の110ccのスクーターを近く発売する。

14年の国内の二輪車出荷台数は消費増税がありながら、41万6000台と13年比でほぼ横ばいだった。だが下支えするのは昔バイクに乗った経験がある中高年だ。このため126cc以上の趣味性の高い中大型車は好調だが、125cc以下の市場は減少が続く。

今やライダーの平均年齢は50歳を超え、男性が8割だ。若者や女性を取り込めないと将来、市場は縮むばかりになる。若いときに小型のバイクに初めて乗り、より大型のタイプに乗り換えていくような、バイクの愛好者が育つ道筋が見えにくくなっている。

そこで各社は需要を掘り起こす取り組みを強化する。ホンダの東北の二輪販社では毎週日曜日に販売店の敷地で昨秋から無料のバイクの乗り方教室を開き始めた。免許を持つ人向けだが入門者を囲い込む狙いがある。

ヤマハ発動機は免許を取得する際の金銭的な負担を軽減するキャンペーンを6月末まで実施する。二輪車免許を取得し、同社の三輪バイク「トリシティ」を購入した人向けに1万円をキャッシュバックする。同社は運転技術を評価するスマートフォン(スマホ)向けのアプリも提供している。カーブを曲がる姿勢や操作などを評価し安全に楽しんでもらう。

経済産業省と国内4社は20年に国内の販売台数を100万台に増やす目標を掲げる。若者のバイク離れの背景には路上駐車の規制強化や、運転が危険だというイメージの悪化もある。こうした課題を乗り越えるため、駐車場整備の要求や、消費者への安全啓発活動を進める考えだ。

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