英アーム設計CPU使い割安クラウド ソフトバンク出資VB
ソフトバンクが出資する米IT(情報技術)ベンチャーのパケット(ニューヨーク州)は16日、半導体設計大手の英アーム・ホールディングスが設計したCPU(中央演算処理装置)を活用した新たなクラウドサービスを発表した。米インテル製のCPUを使ったサービスよりもサービス料金が6割以上安いという。画像解析やオンラインゲームの開発など幅広い需要を狙う。
台湾の鴻海精密工業製のサーバーにアームが設計したCPUを搭載してクラウド用のシステムを構築する。システムは都内のデータセンターに設置して情報セキュリティーを確保する。CPUは米カビウム製を導入する。
料金は月約500ドル(約5万9000円)から。インテル製のCPUを搭載したサーバーを使ったクラウドよりも6割以上安いという。ソフトバンクが顧客を紹介するなど営業面で協力する。
申し込んだ企業ごとにサーバーを割り当てる「ベアメタル」と呼ぶ方式を採用。複数の会社でサーバーを共有する通常方式よりも処理性能を確保しやすい。
ソフトバンクで新規事業を担うエリック・ガン専務は「安く使え、しかも高性能だ」と強調した。申し込んでから10分以内に使い始められるため、期間限定のキャンペーンや特別セール用のシステムを用意する際にも使いやすいという。
パケット社は2014年に設立。ソフトバンクが16年7月に出資した。出資額や出資比率は非公表。ソフトバンクはパケット社を通じてアームの設計仕様に基づくCPUをサーバー分野に広げて事業を拡大する。(大和田尚孝)