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ファストリ、ビッグデータで提案販売 アクセンチュアと新会社

カジュアル衣料品店「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングは15日、コンサルティングの世界大手アクセンチュアとビッグデータ活用で提携したと発表した。世界約3千の店舗やインターネット通販の顧客データから売れ筋の変化などを綿密に予測、2020年にも客が好みの柄や素材を選んで自分だけの商品を注文できるようにする。一律の商品を大量販売する従来手法を見直し海外勢を追い上げる。

「世界中の誰もが体験したことがないような買い物ができるようにしたい」。15日に記者会見したファストリの柳井正会長兼社長は意気込んだ。

両社は年内に合弁会社を設けビッグデータに強い「データ分析官」を育成する。生産から販売までのデータを総合して解析できる専門家だ。ファストリはデータ分析官を含むIT(情報技術)人材を現状より150人増やし計350人にする。

今秋にスマートフォン(スマホ)用の新型アプリを投入する。顧客が「いつ・どこで・何を買ったのか」という情報を実店舗とネット通販の両方から吸い上げる。利用者には最新のITサービスを提供する。

例えばジーンズは顧客ごとに記録した服のサイズ情報を使い、試着しなくても店側で裾の長さを合わせてくれる。得意客にはレジの待ち時間を短くすることも検討中だ。

20年ごろには顧客は自分が好む柄やサイズ、素材を携帯端末で選び注文できるようにする。売り場を歩くとウエアラブル端末に顧客の好みに合った商品を知らせるなど店舗とネットを融合させていく。商品は顧客の自宅や近くのコンビニエンスストアに届ける。「顧客中心の売り場に作り替える」(柳井会長)

ファストリは簡素なデザインの商品の大量生産と低価格販売で成長してきた。事業が20カ国・地域以上に広がりスマホを使ったネット通販も普及するなど顧客側の環境が大きく変わった。「顧客の顔が見えていない」(玉置肇・最高情報責任者)との反省が出てきた。

アクセンチュアはビッグデータ分析で2千強の顧客を持つ。社員数は世界で約32万人。ファストリとの新会社で様々なITベンチャーとアプリや新サービスを開発する。

ファストリの14年8月期の連結売上高は前の期比21%増の1兆3829億円と好調だ。しかし海外2強と比べると「ザラ」を展開するインディテックスの年間売上高が約2兆5千億円、ヘネス・アンド・マウリッツ(H&M)は約2兆7千億円とまだ開きがある。

インディテックスは商品の企画から販売までの期間がわずか2~4週間とされる。ユニクロは1年近くかける場合も多い。売れ筋の変化を取り入れる速度では海外勢が先を行く。ファストリはアクセンチュアとの提携で開発期間を大幅に縮めると同時に、売り方でも最先端技術を駆使して海外大手を追い上げる。その改革の成否は、小売りのIT活用に大きな影響を与えそうだ。

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