マクドナルド、立地別の価格一本化 昼セット割引廃止
傷癒えぬ中で実質値上げ

2015/10/15付
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「おてごろマック」を発表する日本マクドナルドのカサノバ社長兼CEO(15日、東京都新宿区)

「おてごろマック」を発表する日本マクドナルドのカサノバ社長兼CEO(15日、東京都新宿区)

日本マクドナルドは15日、新たな価格体系を26日から導入すると発表した。都心や郊外など店舗の立地によって全国を9つに分けて設定していた価格を原則一本化。新たな低価格商品も導入する一方で、平日昼のセット商品の割引を廃止する。品質問題などで失った客数が戻りきらないなか、実質値上げとも取れる価格変更はリスクを伴いそうだ。

同社は客が多い都心や地方の郊外など、立地特性によって店舗を9つに分類して価格を変えていた。しかし、顧客から「価格がわかりにくいという声があった」(サラ・カサノバ社長)として、廃止。一部店舗を除いて、現在は都市部など約1330店で採用している価格帯に原則として統一する。

立地により9つに分かれていた
価格を一本化する
(セットメニュー、円)
商品名現在の
価格
新価格
(10月
26日~)
クォーターパウンダー・チーズ670~730700
ビッグマック630~700670
チキンフィレオ620~680640
てりやきマックバーガー600~660610
フィレオフィッシュ600~660610

例えばビッグマックとドリンクなどのセット価格は630~700円の幅があったが、26日以降は670円になる。商品や店舗によって価格の上げ下げが生じるが、全体の7割で据え置き、25%で値上げ、5%で値下げになるという。全体で売上高を0.9%押し上げる効果があるとしている。

平日の午前10時半から午後2時まで提供している割引価格のセットメニュー「昼マック」も23日に終了する。約10種類のセット商品を350円、450円、550円の価格で販売。通常価格から100円以上の値引きとなる商品もあり、昼食需要を取り込んできた。しかし、輸入牛肉などの原材料価格の上昇を受けて廃止に踏み切る。

一方で、新たな低価格商品として「おてごろマック」シリーズを26日から販売する。「エッグチーズバーガー」など3種類のハンバーガーを単品で200円、セットで500円で売り出す。「昼マック」終了などの影響を新商品でカバーする狙いがあるとみられるが、来店客の選択肢は狭まることになる。

今回の価格体系の変更を顧客がどう受け止めるかは不透明だ。一部の実験店では7月から昼マックを終了し、低価格商品を先行導入してきた。カサノバ社長は「実験店では顧客から大変好評だった」と強調しており、売り上げ面でプラスに働いたようだ。

しかし、牛丼チェーンなど他の外食企業では値上げがきっかけとなって客数が減り、減収に陥ったケースも多い。吉野家ホールディングスも昨年末の牛丼の値上げで一時は前年同期より2割近く客数が減り、既存店売上高も減少した。

日本マクドナルドは昨年の使用期限切れ鶏肉問題で客数と売上高が大幅に落ち込んだ。影響が一巡して今年8月には既存店売上高が19カ月ぶりにプラスとなったが、9月は再びマイナスに転落。客数は前年割れの状態から脱していない。新たな施策が実験店での結果通りに業績を押し上げるか、まだ癒えぬ傷痕を広げてしまうのか。今後の業績に注目が集まりそうだ。

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