2019年1月20日(日)

ミャンマーでIT人材争奪 日立は現地有力大と提携

2015/12/15 1:30
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【ヤンゴン=松井基一】日本企業を中心にミャンマーでIT(情報技術)技術者の活用が加速する。日立製作所は14日、現地有力大学と人材育成で提携、NTTデータは3年で現地技術者を2.5倍に増やす。アジアや米IT大手も相次いで進出、中国やベトナムの人件費が上がる中、安価で良質な人材確保につなげる。来春の新政権発足による民主化の進展も各国企業のミャンマー進出を後押ししそうだ。

日立製作所は14日、ヤンゴン情報技術大学(UIT)に人材育成拠点を開設した

日立製作所は14日、ヤンゴン情報技術大学(UIT)に人材育成拠点を開設した

日立は現地理工系の名門大学、ヤンゴン情報技術大学(UIT)と提携した。学内にパソコンやサーバーを設置した専用スペースを設け年4回、各2週間、学生や教員向けの教育カリキュラムを提供する。日立の技術者を派遣しシステムの運用やビッグデータの活用法などを教える。

5年で延べ400人程度の受講を見込む。優秀な人材はグループでの採用を視野に入れており、ミャンマー事業の柱であるITインフラ構築の担い手とする。14日、最大都市ヤンゴンで記者会見した日立の佐久間嘉一郎執行役専務は「人件費が安く学習能力に優れた人材の潜在力は大きい。東南アジア全体のグループ拠点で活用したい」と述べた。

NTTデータも3年後をメドにミャンマー国内のソフト開発人材を現状の2.5倍の約600人に増やす。同社は12年にミャンマーに現地法人を設立。日本向けのソフト開発などを手掛けている。増員でミャンマーを中国に次ぐ海外開発拠点に育てる。

アジア企業も注力し始めた。ベトナムのソフト開発最大手FPTグループは今夏、ヤンゴンに開発拠点を開いた。主力のソフト受託開発業務の一部を移管する。中国の華為技術(ファーウェイ)も昨年末、ミャンマー科学技術省とIT人材の育成で提携。通信インフラ事業の人材確保につなげる。

進出ラッシュの背景にはアジアのIT技術者の不足と人件費高騰がある。これまで主にソフト開発を受託してきた中国、ベトナムは人手の確保が難しくなってきたうえに年2ケタのペースで賃金が上昇し魅力が薄れつつある。ミャンマーの人件費は中国の半分、ベトナムの3分の2で済む。

軍政時代は海外企業の進出が途絶えたが、国内に約30の情報系高等教育機関があり、毎年1万人強のIT技術者の卵を輩出する。半面、まだ国内に受け皿となる企業は少ない。そのため、他のアジア諸国に比べ優秀な人材を採りやすい環境にあり、アジア最後の人材獲得のフロンティアとして浮上した。現地語と文法の構造が似ていることもあり、ミャンマーの技術者は日本語習得能力が高く、日系企業とは親和性が高いという。

ミャンマーでは11月の総選挙でアウン・サン・スー・チー氏率いる最大野党、国民民主連盟(NLD)が大勝し来春の新政権樹立が固まった。これまで手控えてきた米国のIT企業の進出も加速しそうだ。すでに米マイクロソフトやシスコシステムズが、現地の大学・教育機関のIT人材の育成支援に乗り出している。将来は本格的な現地開発も視野に入れていると見られ、人材争奪戦が激しくなりそうだ。

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