「すき家」深夜復活へ バイト時給2年連続上げ
人材を確保

2016/3/14 22:00
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 ゼンショーホールディングスが2年連続で全パート・アルバイトの時給を引き上げる。2017年4月の消費税率引き上げが視野に入り、外食業界には先行きを不安視する声が多い。それでも人的投資を拡大するのは屋台骨の牛丼店「すき家」で人手不足のために深夜営業を休止したままの店舗が残っているためだ。時給引き上げを全面再開につなげ、改善途上の業績にさらに活を入れる。

一時は6割の店が深夜営業を休止していた「すき家」だが、再開店舗が増えてきた
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一時は6割の店が深夜営業を休止していた「すき家」だが、再開店舗が増えてきた

 14日、約10万人のパート・アルバイトの時給を4月から平均2%上げると発表した。上げ幅のうち1%分は全員一律の引き上げに充て、残り1%分で地域や勤続年数による差をつける。約900人の正社員が対象のベースアップ(ベア)も4年連続で実施。月額1500円のベアに定期昇給分を加えると、正社員の昇給幅は2%になる。

 パート・アルバイトの時給は通常、勤務評価や勤続年数などに応じて個別に引き上げられる。全員一律というゼンショーの取り組みは珍しい。

 すき家は14年に過重労働問題が発覚し、イメージの悪化が客離れにつながった。店員が1人になる深夜の営業体制にも批判が集まり、全店の6割にあたる1200店超で深夜営業を休止した。結果、15年3月期は回転ずしやレストランなどの伸びで増収は確保したものの、最終損益は111億円の赤字に転落した。

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 創業者の小川賢太郎会長兼社長は常々、すき家は「食のインフラとして24時間365日営業が基本」と話す。上場来初の赤字という逆風下、ゼンショーはあえて15年春に全員一律の時給引き上げを初めて実施した。

 時給の引き上げなどが奏功し、この1年でパート・アルバイトの総数は約5千人増加。16年2月末時点のすき家の深夜営業休止店舗は262店まで縮小した。連動して業績も上向き、15年4~12月期は33億円の最終黒字に転換。当初計画より遅れているものの、足元では月30~40店のペースで深夜営業店舗が増えており、17年3月期中の全店再開も見えてきた。

 リクルートジョブズ(東京・中央)によると、三大都市圏のアルバイトの平均時給は16年1月まで31カ月連続で前年同月を上回った。相場が上がるなか、全面再開を確実にするためにも、2年連続の引き上げが不可欠と判断したとみられる。

 ただ、今後の経営環境は厳しさが増す。10月には社会保険の適用範囲拡大を受け、企業の保険料負担が増加。ゼンショーは「1%分の賃上げに相当する」(幹部)と負担の増加を見積もる。予定通り消費税率が10%に上がれば、消費者は支出を絞り込む。同時に軽減税率が導入されれば、外食からコンビニエンスストアやスーパーに流れるとの見方もある。

 16年3月期通期の最終黒字がほぼ確実となるなか、今回は時給の上げ幅を15年の2.5%より低く抑える。人手確保と人件費管理のバランスをどう取るか。導き出した2%という上げ幅に苦悩がにじむ。(小沼義和)

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