車プレス部品世界最大手、東京にR&Dセンター開設

2017/6/14 16:53
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自動車向けプレス部品の世界最大手、ゲスタンプ・オートモシオン(スペイン)は14日、東京駅の近くに日本初となるR&D(研究開発)センターを開設した。同社は2018年に三重県松阪市で日本初の鋼板の加工工場を稼働させる。東京での開発拠点とあわせ、日本の完成車メーカーに向けた提案を強化する。

ホットスタンプに代替できる構造部品について説明するゲスタンプのリベラスCEO(右)(14日、都内)

「完成車メーカーに向けて、工場でのオンサイト支援だけでなく早期の開発・設計段階から支援に取り組む」。ゲスタンプのフランシスコ・リベラス会長兼最高経営責任者(CEO)は報道陣を前にR&Dセンター開設の狙いを語った。東京駅隣接のグラントウキョウサウスタワー内にある同センターには、約70人が常駐し車の素材開発から設計提案まで手掛ける。

自動運転やコネクテッドカー(つながる車)など、完成車メーカーの開発負担が増える中で、ゲスタンプは設計の早い段階からかかわり、車体の構造や素材開発などを共同で進める。すでに日本の完成車メーカーと10件の共同開発が決まっている。

ゲスタンプが力を入れるのがホットスタンプ材だ。鋼板を高温に加熱した後プレス機に入れ成型し、その後急速に冷却することで鋼の強度を高める。日本ではホットスタンプに比べ、常温で加工し強度を持たせた高張力鋼板(ハイテン)が主流だった。しかし、電動部品などの搭載が増えて、車体そのものの軽量化が急務となる中で、高強度で軽量化を進めやすいホットスタンプの採用が進んでいる。

リベラスCEOはホットスタンプ材について「車体での採用率は平均で約8%。25年には17~18%までの成長が見込まれる。日本メーカーは採用率が低く、さらなる需要増が見込める」と話す。ゲスタンプの16年度の売上高は約75億ユーロ(約9200億円)。欧米事業が中心で、日本の完成車メーカーに向けた売上高は全体の7%にあたる約5億ユーロにとどまっていた。

ゲスタンプは三重県の加工工場に約80億円を投じる。また16年には三井物産から12.5%の出資を受け入れた。日本を戦略市場と位置づけており、日本国内での提案強化を通じて、複数の国や地域で展開する戦略車向けの採用にもつなげる考えだ。

(江口良輔)

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