2017年11月20日(月)

バドワイザー製品5割が「エコ」 伊電力と再生エネ契約

2017/9/14 13:24
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 バドワイザーなど我がビールの5割はエコです――。ビール世界首位アンハイザー・ブッシュ・インベブ(ベルギー)傘下の米アンハイザー・ブッシュ(AB)は、イタリア電力最大手エネルと再生可能エネルギー分野で手を組む。ABがエネル系の大型風力発電所から電力を購入し、電力消費量の5割が再生エネになる。再生エネの価格下落が進み、企業が環境イメージの向上と経済性を両立しやすくなり、米アップル、イケア(スウェーデン)なども再生エネ導入を続けている。

アンハイザー・ブッシュの看板商品「バドワイザー」の多くも風力由来の電力でつくられる=ロイター

アンハイザー・ブッシュの看板商品「バドワイザー」の多くも風力由来の電力でつくられる=ロイター

 看板商品「バドワイザー」を抱えるABとエネル子会社のエネル・グリーン・パワー(EGP)が13日に発表した。ABが、EGP主導で米オクラホマ州で運転する風力発電所「サンダー・ランチ」の電力に関する売買契約を結んだ。EGPは出力15万2500キロワット分をABに売る予定で、総発電量は6億1000万キロワット時になる見込み。これだけの電力で12オンスのビール(355ミリリットル相当)を200億本以上生産できるという。

 ABが使う実際の電力はすべてサンダー・ランチから届くわけではないが、他の化石燃料由来の電力を購入した分をサンダー・ランチからの分で相殺し、全体では最大5割が再生エネになる。ABは現在も太陽光と風力から電力を購入しているが再生エネ比率は2%に満たないという。

 背景には、環境とビジネスの両面がある。ABが新たに購入する電力量は米国5万世帯の消費量に相当する。二酸化炭素(CO2)排出量を毎年40万トン削減し、米国で年8万5000台以上の車が消える計算になるという。ABのジョアン・カストロ・ネベス最高経営責任者(CEO)は「再生エネ市場を支援するのは環境によいだけでなく、戦略的なビジネスだ」と説明する。世界的に陸上風力発電のコスト低下が進み、米国などでは運転停止までのコストが石炭火力と並ぶ程度まで低下。経済性が見込める電源になった。

 ABインベブは、企業活動に使う電力をすべて再生エネ由来に切り替えようとする企業の集まり「RE100」の会員企業。25年までにグループ全体ですべて再生エネに切り替える計画で、中核子会社ABの動きは大きな一歩だ。

 RE100には106社が加入し、アップルや家具世界首位のイケアなども名を連ねる。アップルは23カ国での事業が再生エネ100%に切り替わり、世界全体では96%が再生エネになっているという。イケアは20年までに、全世界の自社の建物で消費する電力と同じだけの再生エネづくりに関与する方針だ。

 このほか米国勢はグーグルやフェイスブック、ナイキ、ゴールドマン・サックスなどがRE100の会員として活動し、欧州勢はネスレ(スイス)、英蘭ユニリーバ、独SAP、フィリップス(オランダ)などがメンバーだ。日本からはリコーが加入している。

 一方、エネル側の成長戦略もある。同社は地盤の欧州だけでなく北米、南米でも事業を広げてきた。再生エネが収益の柱になり、欧州の電力セクターでは時価総額が首位と株式市場では将来の成長性への期待も高い。今回のように大口需要家と売買契約を結べば、価格変動リスクを軽減しながら事業を拡大する効果も見込める。EGPのアントニオ・カミセクラCEOは「売買契約は成長の道筋ができるだけでなく、安定した価格で収入の確実さが得られる」と述べている。

(加藤貴行)

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