東芝、半導体売却先決められず 日米韓連合と協議覚書

2017/9/13 20:52
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 東芝は13日、半導体メモリー事業を巡る取締役会を開いたが、売却先を決められなかった。8月中旬から米ウエスタンデジタル(WD)の陣営への売却決定を目指してきたが協議が難航。6月下旬に優先交渉先として選んだ日米韓連合に再び交渉の軸足を移すと発表した。だが訴訟リスクは残り、東芝はWDとも協議を続ける。交渉の先行きは依然、不透明だ。

 東芝は13日、メモリー子会社「東芝メモリ」の売却に向けて、米投資ファンドのベインキャピタルを主体とする日米韓連合と協議を加速するとの覚書を交わしたと発表した。ただ、覚書に法的拘束力はなく、売却先を絞れたわけではなかった。

 東芝は8月中旬以降、WD陣営との交渉に力を注ぎ主力取引銀行や経済産業省も同陣営との契約に期待していた。だがWDの東芝メモリに対する将来の議決権比率などで折り合えていない。

 「怖いのは独占禁止法の審査だ」(東芝関係者)。上場廃止となってしまう2期連続の債務超過の回避に向けて、2018年3月末までに確実に中国などの独禁法審査を通過する売却の枠組みが求められている。東芝はWDが将来の経営関与をあきらめていないとみて、同社との集中協議にこれ以上時間をかけられないと判断したようだ。

 だが、日米韓連合への売却では、第三者への売却差し止めを求めたWDによる訴訟のリスクを払拭できるか不透明だ。そもそも8月にWD陣営との交渉に軸足を移したのは、陣営への売却によって訴訟リスクが解消できるからだった。

 日米韓連合の今の提案では訴訟リスクを懸念する産業革新機構と日本政策投資銀行は買収当初は資金を出さず、訴訟の結論がみえてから資金拠出する。代わりに当面は米アップルや米デルが資金を出す。だがこれでは訴訟が長引くほど革新機構などは資金を出せない。

 WDと共同投資する四日市工場(三重県四日市市)は東芝が運営しており「WDはいずれ訴訟を取り下げざるを得ない」との声も東芝社内にある。ただ一方で製品設計ではWDの技術力が必要なため同社との和解が不可欠との見方もある。WDは13日「極めて遺憾だ」との声明を出した。

 曲折を重ねる売却交渉の背景には「時間軸のずれ」がある。債務超過解消に早期売却を迫られる東芝に対し、買い手に時間の制約はない。このため東芝は厳しい交渉を迫られる。ある東芝関係者は「こちらは焦っているけど、あちらは焦っていない」とこぼす。

 交渉を重ねて徐々に買い手から有利な条件を引き出そうとしているとの見方もあるが、残された時間は少ない。東芝は13日、日米韓連合と「9月下旬までの株式譲渡契約締結を目指す」と発表した。だが、WDが譲歩を示せば、交渉の方向が再び変わる可能性もある。

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