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大塚家具、親子の法廷対決終結 勝負はビジネスに

大塚家具創業者の大塚勝久前会長が、長女の大塚久美子社長が役員を務める資産管理会社に社債の償還を求めた訴訟で、敗訴した久美子氏側は13日、控訴せず判決通り約17億円を勝久氏に支払った。久美子氏は勝久氏との法廷対決を終わらせたが、大塚家具の売上高は前年割れが続く。新たな家具販売会社を立ち上げた勝久氏との経営手腕を巡る対決が控えている。

大塚家具は経営権を巡って勝久氏と久美子氏が対立。昨年の株主総会で委任状争奪戦となり、久美子氏が多数を得た。一方、社債15億円分の償還が争われた訴訟では11日の東京地裁判決で、勝久氏が勝訴した。

久美子氏側の代理人弁護士は13日、「大塚家具への影響などを考慮し、収束が望ましい」と控訴しないことを表明。資産管理会社が保有する大塚家具株約189万株を担保に銀行から資金を借り入れ、同日、勝久氏に利息を含む約17億円を支払った。株式の名義変更を巡る久美子氏が被告となった別の訴訟も、勝久氏が訴えを取り下げて終結する。

裁判の決着で親子対決は一区切りとなるものの、大塚家具の足元の業績は振るわない。月次の店舗売上高は今年に入り前年割れが続き、3月は前年同月比11.8%減。昨年末にかけて実施した改装前の「売り尽くしセール」の売れ行きが伸びず、改装後の2~3月も回復していない。

同社は「ビジネスモデルの転換期で、軌道に乗るまでに時間がかかる」と説明。5~6月は前年同月に「おわびセール」で大幅に売り上げを伸ばした反動で、減少幅が大きく出ることが見込まれる。

久美子氏は勝久氏がつくり上げたビジネスモデルの変革を掲げてきた。気軽に立ち寄れるように会員制を廃止し、高価格帯の商品を縮小して中価格帯を強化した。ただ、その効果は現時点で不透明なままだ。

一方、勝久氏は新たに立ち上げた家具販売会社「匠大塚」(東京・中央)の営業を22日に始める。高級家具を扱い、予約制で内覧を受け付け、かつての大塚家具の販売手法と重なる。親子対立の発端となった経営方針の違いはどう消費者に支持されるか。勝負は本業の家具販売の場に移る。

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