2017年11月25日(土)

古河電工、光ファイバー製造能力2倍に 海外で需要増

2017/9/13 17:41
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 かつて企業価値が1ドル以下となった古河電気工業の子会社が、復活ののろしをあげる。古河電工は13日、データを光信号に変換して伝送し、通信会社の公衆回線を中心に使用する光ファイバーの製造能力を2019年までに16年度比で約2倍に引き上げる計画を発表した。投資額は1億5000万ドル(約165億円)。次世代の超高速無線通信「5G」が2020年に世界で導入され、あらゆるものがネットにつながる「IoT」の進展に狙いを定めた。

 「欧米での競争優位を保つ」。13日に開いた記者会見で、荻原弘之取締役兼執行役員専務は力を込めた。荻原氏は光ファイバーが飽和している日本と異なり、「海外の光ファイバー不足は当面続く」との見方を示す。子会社のOFSの工場の生産能力を大幅に高め、競合する米コーニングや伊プリズミアンを追い上げる。

 OFSは古河電工が01年に米ルーセント・テクノロジーズから買収した。2000億円超を投じたがIT(情報技術)バブルの崩壊で04年3月期には1600億円超の特別損失を計上。一時、企業価値は実質的になくなった。そのOFSが10年以上を経て光ファイバーの生産拡大の反転攻勢の最前線となっている。

 最大の要因は、5G導入へ向けた商機の拡大だ。5Gは伝送速度が現行の第4世代(4G)の100倍もあるのが特徴。5Gを活用したサービスの伸長も見込まれ、通信データ量は大きく伸びる見込み。米シスコシステムズは世界のデータ通信量が21年に16年比3倍になると予測する。

 特に米国での需要は非常に大きい。米国では現在、グーグルやアマゾン・ドット・コムなどのIT(情報技術)大手がクラウドサービスの拡大とともにデータセンターを増強している。今後5Gが普及すれば大量のデータを伝送するインフラも必要となる。このような背景もあり、増産が決まった。

 古河電工はジョージア州にあるOFSの工場でガラス母材の製造装置を導入。設置場所を確保するため、新しい建屋を建設する。デンマークにある工場でも既存設備の改修を中心に製造能力を高める。投資額の約3分の1は光ファイバーを束ねた光ケーブルにも振り向ける予定だ。

 古河電工は16年度までに製造能力を14年度比で2割増強し、18年度までに16年度比でさらに2割増とする計画を立てていたが、需要増を受け大幅な追加増強を決めた。18年度から順次能力を高め、19年に製造能力を2倍とする。これにより、現在10%強である世界シェアは20%以上になる見込みだ。

 光ファイバーは中国勢も存在感を増しているが、古河電工は耐久性の高さなどで敷設コストを低減できるとして対抗。増産で先行して需要を取り込む。国内の電線業界では、フジクラも通信ケーブルの軽量化につながる新製品を今年度から米国で増産。住友電気工業も中国での増産を検討し始めている。

(鈴木泰介)

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