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武田薬品、長谷川会長が退任

(更新)

武田薬品工業は13日、長谷川閑史会長(70)が6月の定時株主総会後に退任し、相談役に就くと発表した。長谷川氏の退任後は会長職は当面の間設けない方針。取締役会議長には社外取締役の坂根正弘氏が就く。

長谷川氏は2003年6月に創業家出身の武田国男氏の後任として社長に就任。この時点では会長兼CEO(最高経営責任者)だった武田氏が実権を握り続けた。2006年に武田氏からCEO職が外れてから長谷川氏が名実ともに同社のトップとなった。武田氏は当時、「(長谷川氏の社長就任後も)彼がトップの器かどうか見極めてきたが合格だ」と話していた。

長谷川氏はこれを機に持ち前の実行力を発揮し始めた。買収戦略を加速させるとともに、欧米メガファーマの幹部を引き抜き、開発部門など主要ポストを軒並み社外出身者で固めた。役員が外国人ばかりという大胆なガバナンス改革は産業界の話題を呼んだ。

当時の同社は糖尿病治療薬など主力4品目が相次ぎ特許切れを迎え、欧米メガファーマとの差が開かないよう手を打ち続ける必要があった。

長谷川氏が主導して、がんに強いミレニアム・ファーマシューティカルズやナイコメッド(スイス)など外部の経営資源を取り込み続けたことで売上規模は拡大傾向にあるが、利益面は低迷が続いている。

14年に代表取締役会長兼最高経営責任者(CEO)に就任し、同社初の外国人社長であるクリストフ・ウェバー氏を後任に据えた。15年にはCEO職もウェバー社長に移すなどし、現在は取締役会長を努めている。

11年に経済同友会代表幹事に就任し、15年まで2期4年務めた。

「製薬会社トップが優れていたかどうかの評価は退任の10年後にはっきりする」。製品の仕込み期間が長期にわたる製薬業界ではよくこう言われる。その意味で、主力4品目の特許切れに苦しんだ長谷川時代の前半は、前任の武田国男氏の"創造不足"が原因とも言えた。どちらかというと不振事業の"破壊"に比重を置いていたのが武田国男氏。武田氏を補うように長谷川氏は"創造"を強く意識し攻め手を打ち続けた。本当の評価が定まるのはこれからだ。

(佐藤昌和、川上宗馬)

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