森ビル、東京・虎ノ門の再開発始動 計3棟4000億円

2016/4/13 21:35
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森ビルは13日、東京港区の虎ノ門地区の再開発計画を発表した。オフィスビルと住宅棟の計3棟を建設する計画で事業総額は4000億円になる見通し。複合開発による外資系企業の誘致を得意としてきたが、東京都内では丸の内や日本橋地区でも同様の再開発計画が相次いでおり、テナントの争奪が激しくなる。

東京・虎ノ門地区の再開発計画を発表した森ビルの辻慎吾社長(13日、東京・港)

東京・虎ノ門地区の再開発計画を発表した森ビルの辻慎吾社長(13日、東京・港)

「オフィスや住宅、ホテルなどがコンパクトに集中している街が(外資系企業などから)選ばれる」。森ビルの辻慎吾社長は同日、都内で開いた記者会見でテナント誘致に自信をみせた。

計画では複合施設の虎ノ門ヒルズ(地上52階)を囲むように、地上36階建てのビルと56階建ての住宅棟を建設する。いずれも2016年度中に着工して19年度に完成させる計画だ。

さらに虎ノ門ヒルズと同規模のビルも22年度の完成をめざす。

森ビルは六本木ヒルズ(港区)のように、ビル、住宅、商業施設を面的な広がりを持たせながら複合的に開発する街づくりを得意とする。虎ノ門地区には同社が自社物件を持っていたこともあり、もとは住宅地だった地区を「ビジネスのセンターにする」(辻社長)と意気込む。

だが開発ラッシュの都内ではライバルも複合開発による街づくりに力を入れている。

三菱地所は120ヘクタールに及ぶ丸の内地区(丸の内、大手町、有楽町含む)で複合開発を加速。三井不動産も日本橋で同様の開発を進める。いずれも外資企業の誘致もめざしており、「職・住・遊」の一体的な街づくりを掲げる。複合開発に30年の歴史がある森ビルの「お家芸」が揺らぎかねない状況だ。

今回の再開発に投じる4000億円は金融機関からの借り入れなどで賄う。マイナス金利の影響もあり「資金は借りやすい」(辻社長)とはいうが、大規模再開発で同社の有利子負債は15年3月末時点で約1兆円に膨らんでいる。売上高で比べると最大手の三井不動産の約5分の1だが、有利子負債は三井不の半分と割合が高い。

足元の業績は堅調とはいえ、多額の有利子負債は今後の重荷になる。森ビルの計画と重なる19年は大規模なオフィスの供給ラッシュになる見通し。20年の東京五輪後は景気が変調するリスクもあり、拡大戦略のなかで気がかりな要素だ。

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