富士通、AI使いCO2ゼロめざす サーバー効率稼働で50年に

2017/5/12 21:58
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富士通は12日、2050年に二酸化炭素(CO2)排出量をゼロとする目標を発表した。トヨタ自動車ソニーなど、環境対策の長期計画を作る動きが相次ぐ。温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」の発効で、企業の環境対策を投資判断の材料とする投資家が増えている。長期目標の策定はグローバル企業の条件になった。

富士通はCO2排出量を30年に13年度比33%減らし、50年にゼロにする。カギを握るのが世界で急増するデータセンターでの省電力化。

AI(人工知能)を駆使して、サーバーの稼働状況や外気温を分析しながら空調を効率的に運転させる。データセンターの消費電力を7割減らす。サーバー部品の低消費電力化や省エネ型のスーパーコンピューターの開発も進める。

全社員を対象に導入した在宅勤務制度の推進など、効率的な働き方による電力削減も見込む。太陽光や風力発電や排出量取引制度などを活用することで、CO2を排出しないようにする。

省エネ型サーバーの販売や、工場やオフィスでの電力管理システムの構築など、「環境先進企業として、事業拡大につなげる」(金光英之環境本部長)狙いもある。

トヨタ自動車も50年に工場から生じるCO2排出量をゼロ、新車走行時の排出量は10年比9割減とする目標を設定。ソニーは50年に事業や製品使用で発生する環境負荷をゼロにする計画を掲げた。リコーは使用電力に占める再生エネの比率を30年に30%以上、50年には全量を再生エネで賄う計画を打ち出した。

パリ協定の発効により企業の環境対策は資金調達にも影響を与える。機関投資家の間で環境や社会、企業統治を重視する「ESG投資」が広がっており、企業を選別する動きが進んでいる。ESG投資の運用規模は60兆ドル(約6800兆円)超との見方もある。日本でも年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)がESG投資を表明した。

温暖化対策の目標を掲げる企業を承認する国際的組織「SBTイニシアチブ」には、独BMWや米ウォルマートなど世界260社以上が参加する。日本企業の参加数は全体の1割程度にとどまる。欧米企業との取引条件として自社の環境対策を問われるケースも増えている。

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