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イノベーションを生み出すシステムとは?

学生の提案 越智仁・三菱ケミカルホールディングス社長編(11月24日)

越智仁さんの提示した「イノベーションを生み出すシステムとは?」という議題に対し多数のご投稿をいただきました。紙面掲載分を含めて、当コーナーでその一部をご紹介します。

外からご意見番

滝沢 翠里(東北大学工学研究科修士2年、24歳)

イノベーションを効果的に生み出すには、それに関わる"ヒト"の多様性が必要だと考える。そこで事業に多様性を生み出す「ご意見番システム」を提案する。年齢や性別、国籍、経歴の異なる社外の人物を短・中期で雇用し商品開発や新規事業に取り組んでもらう。一般にモノづくりの現場では似たような専門性や経験を持つ人間が集まりがちである。人材に多様性がなければ着眼点や発想が固定概念に縛られ、イノベーションが起こりにくくなる可能性が高い。バックグラウンドが異なる社外の人材を起用すれば、客観性があり、既存の価値判断に左右されない新たな選択肢が生まれると考える。国境を越えたヒト、モノ、カネの動きが活発になった昨今、組織や業界を超えた活動が求められているのではないか。

まずは子供に夢を

水谷 将明(中部大学工学部2年、20歳)

車の分野では自動運転の時代が来るという将来像が示され、子供に夢を与えているのに、他の分野ではほとんど聞かない。子供たちは科学館等に行って様々な分野に興味や関心を持つが、その後、会社や大学は何を提示しているだろう。大学なら受験を、会社なら就職を勧誘しているだけではないか。企業の入社試験の面接では会社についてどれくらい知っているか質問することがあるようだ。その趣旨は軽い気持ちで受けに来た人を判断したいということだろう。しかしそれは、調べないとわからない企業だと自ら認めているようなものではないか。現在作っているモノと新しく作ろうとしているモノ。どちらも広告宣伝だけでなく、実演でもっとアピールしたらどうか。新しい技術を生み出すには子供たちの力が必要だ。

20%ブラックボックス

山口 直樹(大阪大学法学部4年、24歳)

米グーグルなどが実施している、業務時間の一部を自分の好きなように使っていいという仕組みを企業の枠を超えて導入することを提案する。例えば「Black Box(ブラックボックス)」と名付けた共同体を立ち上げて、それぞれの会社が20%のリソースをそこに送り込む。選ばれるのは社会のために働くという意識の高い社員とする。共同体ではこれまで自社で培った知識や経験を生かし、他社の人たちの知識や経験、技術と融合させて、新しい価値を生み出すことのみにフォーカスする。Black Boxでは、自社の利益や過去の実績などのしがらみから離れて「本当に社会に必要なものは?」に集中して考え、働くことができるため、新たなイノベーションを生み出す土壌ができるはずだ。

【以上が紙面掲載のアイデア】

イノベーションを生む場をイノベート

松本 健太郎(慶応大学商学部4年、21歳)

イノベーションを生み出すためには、そのための土壌が整っていなければならない。どんなに有能な人材であっても、一人で物事を考えるのには限界がある。したがって、イノベーションを生み出すためにあらゆる人々の知識や価値観をぶつけ合うことが必要となる。企業内における部門の垣根を越えた積極的な交流はもちろん、企業間や産業間、もしくはそういった概念も超えた交流が重要なのではないか。具体的に提案したいのは、子供に意見を聞くことである。先入観を持たない自由な発想ができる子供たちのアイデアを聞くことで、これまで考えもつかなかった製品や使い方が生まれてくるのではないか。重要なのが、そういった子供たちと交流できるような場があることである。そのようなイノベーションを生み出す場をイノベートしさえすれば、自然とイノベーションは生み出されると考える。

一斉に無人島研修を

中川 凌央(海陽学園海陽中等教育学校高校2年、16歳)

今の日本に居るままだと、既に幾多のイノベーションが過剰に生まれており、逆に何も生まれないように思う。国が豊かになればなるほどモノも増え、国民もそれに甘えてしまう。そこで、何もない無人島に社会人を派遣し、モノを生み出させる「無人島研修」をしてみるのはどうか。それもただの無人島研修ではなく、多種多様な企業が連携し、各企業の人材を一斉に無人島に行かせる。そこで最低限の生活物資のみを与えて生活してもらう。無人島というフロンティア精神をかきたてる環境下で多様なバックグラウンドを持つ人材が協力することで、効果的なイノベーションが生み出されるのではないか。

「協奏」を促す組織

野口 裕太(上越教育大学学校教育研究科1年、31歳)

イノベーションを生み出すための「協奏」を生み出すためにはどうしたらいいのか。まず、自分自身に確固たる専門性がなければならない。一流の専門性を持った人間同士が交わることで、新しい発想が生まれるのではないか。まずは自分自身が強い「個」であることが求められる。

また、異質なものに対する寛容さも求められる。自分にない発想、考え方を受け入れ、それを自分のものにしなければならない。そのためには、自分とは違うものを許容する度量が必要だ。さらに、組織として協奏を生み出し続けるために、これらの強い個をマネジメントする能力も必要だ。幅広い分野に見識があり、協奏を十分に経験してきたリーダーが、個々の協奏を促し、組織としてまとまりのある方向に導かなければならない。これらの要素を満たす組織は力強く躍進する組織になりえると信じている。

売り込むイノベーション

鈴木 瑠莉(駒沢大学経営学部3年、20歳)

製品が売れるかどうかという不安がイノベーションを起こす力があっても行動できない原因ではないだろうか。企業にとって利益は成長していくために必要不可欠だからだ。不安を除くためには効果的な広告戦略が大切だと考える。

最近、観光地でよく見かける、急成長を遂げたものがある。自撮り棒だ。日本の若者だけでなく、訪日外国人まで多くのひとが持っている。実はこの製品は1980年ごろコンパクトカメラが販売されるようになった時に生まれたそうだ。今売れている理由は記録媒体がカメラからスマートフォンに取って代わったことにより、写真を撮るための利便性が見直されたからだと考える。その背景にはSNSの普及と様々なことに1人で取り組む「おひとりさま」需要があるのではないだろうか。潜在ニーズの発見だけでなく、それをうまく売り込むことがイノベーションを生み出すと考える。

自ら考える教育を

福田 有恭(海陽学園海陽中等教育学校高校2年、17歳)

イノベーションを生み出すのは自由な発想だ。自由な発想には自ら考えることが必要である。子供の落書きのように、現状にとらわれない、空想小説に出てくる夢のような、自由な発想こそがイノベーションを起こすきっかけになるだろう。しかし夢で終わってしまってはイノベーションにつながらない。夢を現実に変える「何か」が必要だ。それは技術かもしれないし、他人のアイデアかもしれない。その「何か」を与えるのが「教育」なのである。幼少期から社会の様々な問題に疑問を持たせ、どうすれば良くなるのか常に考えさせる。何が必要で、どうすれば実現できるか自ら考える力をつけさせる。このような「教育」こそがイノベーションを生み出すシステムになるのではないだろうか。

モノに、まずエネルギーを!

泉 将司(早稲田大学文化構想学部4年、22歳)

あらゆる行動をエネルギーに変換して使用するシステムが開発されれば、イノベーションは加速する。例えば、スマートフォンに使用するフィルムや、衣類・靴などに使われる繊維や樹脂が太陽電池のような機能を持てば、日常生活の様々な場面でエネルギーを生み出せるようになる。モノがインターネットでつながり、高付加価値を生む「IoT(インターネット・オブ・シングス)」の可能性が示されて久しい。IoTはモノに蓄積されたデータが、クラウドなどを通じ人々に発信される仕組みでもある。そのデータの経路を、さらに短縮する試みだ。モノが生み出したエネルギーを、そのまま直接活用すれば、生活はより便利になる。生活の基盤を支える力の源であるエネルギーを生む性能をモノに与えることで、人々にも地球にも、快適な未来を実現できると思う。

タイムスリップイノベーション

安田 大志(大阪大学法学部4年、24歳)

その昔、研究者たちは何を思ってイノベーションを起こしてきたのだろう。「目の前の人たちの生活を少しでも良くしたい」。そんな純粋で熱い思いが聞こえてきそうだ。高度化、複雑化する社会においてイノベーションに必要なことは、もしかすると目の前の暮らしにフォーカスして「そぎ落とす」ことではないだろうか。そこで、途上国の農村部に様々なセクターの人を集め、目の前の課題の解決に取り組む機会をつくってはどうだろう。それにより、変化を生み出そうとするモチベーションを保ち、今開発しようとしている技術が誰のための技術なのか、という視点を忘れずにいることができると思う。

企業と大学をつなぐ「プロジェクト掲示板」

小笠原 舞(産業能率大学経営学部3年、21歳)

インターネット上の掲示板というと悪い印象もあるが、企業と学生をつなぐ「新たなチャット」を作成してはどうだろうか。学生は、授業などで企業と連携することがなければ、インターンシップや就職活動でしか企業と接することがない。インターンシップも学業や課外活動に忙しければ、なかなか挑戦できない。そこで「企業のプロジェクト」サイトに登録した学生を対象に、プロジェクトの内容や進行状況を「チャット」で公開する。そこに学生が参加し、若い世代の柔軟な考えを提案する。企業は学生の人柄やスキルを把握でき、学生はそこでの活躍が新たな自信につながるだろう。インターンシップに加え、「企業プロジェクトへの参画」を活用して、企業も学生も新たなイノベーションを生みだすチャンスになるのではないか。

教育機関との連携

木村 俊博(海陽学園海陽中等教育学校中学2年、13歳)

イノベーションを生み出すのに必要なのは行動力だ。革新的な考えを机上の空論ではなく、現実にするには行動を起こさねばならない。では、行動を促すには何が必要か?それは柔軟な発想だと思う。例として、山形にあるベンチャー企業が開発に成功した人工クモ糸が挙げられる。この開発は私たちの生活にイノベーションを起こすだろう。私は開発成功のニュースを聞いた時、スパイダーマンを連想し、SFのような技術を現実にした発想豊かな技術者の行動力に感銘を受けた。このようにイノベーションを生み出すのに、柔軟な発想は大切なことの一つだ。そこで私は、教育機関と企業の連携を提案する。現実に縛られず、自由な発想がしやすい私たちのような学生と、発想を実行に移せる企業が連携すれば、きっと新たなイノベーションを生み出せると思う。

次回の未来面

次回、1月5日掲載の未来面では大和ハウス工業社長の大野直竹さんが課題を提示します。広く皆さんからのアイデアをお待ちしております。

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