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ドイツの高速道でゆっくり…アウディ自動運転いつ使う?

独フォルクスワーゲン(VW)傘下の高級車メーカー、独アウディが世界で初となる「レベル3」と呼ばれる自動運転車を今秋に発売することになった。システムが人の代わりに運転するとあり話題を呼ぶが、当面この機能を使えるのは高速道路で時速60キロメートル以下で走るときという。どのような状況が想定されるのだろうか。

アウディが投入する最上位モデル「A8」の新型の売り文句は、「世界で初めて高度な自動運転のために開発された量産車」(同社)だ。ルペルト・シュタートラー社長は、自動運転車の車内で効率よく運転手が時間を過ごすようになり、高級車としての価値を高めることができると説いた。

アウディが今秋発売する世界初の自動運転車「A8」(スペイン・バルセロナ)

レベル3ではすべての操作をシステムが実施する。運転手は自動運転中にスマートフォン(スマホ)を見たり、読書したりすることもでき、システムが介入するように求めた際にハンドルを握る。新型A8では当面、中央分離帯のある高速道路を時速60キロメートル以下で走るときに限られる。現時点で法律で明確に可能なのはアウディの本国ドイツだけという。

ドイツ国内に張り巡らされた高速道路「アウトバーン」は原則、速度制限がないことで有名だ。通常は100キロメートル以上で走る車ばかりで、60キロメートル以下になることはまずないし、危ない。アウディが想定するのが朝夕の大都市周辺で頻繁に起きる渋滞だ。A8で出勤する会社の重役が個人で運転するような状況だろう。アウディは、ストレスなく車内での時間を有効に利用してもらい、高級車ブランドの付加価値にしようとの思いがある。

このほか、工事で車線が1~2車線に減り60キロ制限がかかる場合もありうる。ドイツは1990年の東西再統一後、復興の一環として旧東独地域のアウトバーンの整備を急いだ。ドレスデンやライプチヒなど旧東独の大都市周辺はきれいな道がある一方で、旧西独では古い路面の道路が残り今もアウトバーンでの工事が頻発している。

ただ、大がかりな工事では、走行レーンと中央分離帯からの距離が遠くなったり、分離帯自体が一時撤去されたりする場合がある。こうしたときにはA8の自動運転機能は使えないことになる。会社側も渋滞時以外のシーンは説明していないようだ。

アウトバーンを走ると、追い越し車線を疾走するアウディや独ポルシェをよく見る。こうした車は時速200キロメートルを超えることもざらだ。アウディは独国内のサーキットで、スポーツ車「RS7」の自動運転車を時速200キロメートル以上で走らせた実績はある。だが、こうした車がすぐ高速を自動運転で走るわけではない。ドイツの日常の風景は大きくは変わらないとみられる。

アウディのモットーは「技術による先進」で、軽量化技術などで業界に先駆けてきた自負が強い。同社はまず自動運転の現状可能な範囲でレベル3を世に問うた。他社がどこまで追随してくるかが注目だ。

(加藤貴行)

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