2019年1月17日(木)

仙台空港、民間運営委託で第1号 東急連合が優先交渉

2015/9/11付
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国土交通省は11日、国が管理する仙台空港の運営権を売却する優先交渉権者に、東京急行電鉄と前田建設工業などの連合を選んだと正式発表した。来年6月末に運営が移る見通し。公共インフラを民間に委ねる「コンセッション」の国内第1号となる。

入札には三菱地所やANAホールディングスなどの連合も参加したが、東急陣営が格安航空会社(LCC)向けの施設整備を計画している点などが評価された。国交省は東急連合と今月中に基本協定を結ぶ。

同省の担当者は11日、東急連合の提案について「新規需要をより重視している」と述べた。空港ビル内の商業施設や案内機能の拡充に加え、鉄道やバス会社と連携して空港アクセスを改善する点も評価した。着陸料の割り引きや減免、将来的な利用時間の延長も盛り込まれていたという。

東急電鉄は空港運営を「鉄道の定時運行や駅の安全確保」といった既存のノウハウで事業を拡大する好機とみる。オリックス連合が唯一、最終入札に参加している関西国際空港と大阪国際(伊丹)空港の運営権売却にも当初意欲を示していた。

仙台空港の運営にはグループの経営資源を結集する構えだ。広告子会社、東急エージェンシーが成田国際空港などの商業施設の企画を手がけ、東急不動産もショッピングセンターを運営するなど経験は豊富だ。「インバウンド(訪日外国人)の需要を取り込む」(東急電鉄)狙いもある。本拠地の東京・渋谷と仙台空港で外国人観光客の相互送客などが視野に入る。

東急連合に加わる前田建設工業は「ターミナルや滑走路の整備、メンテナンスをコストダウンできる」と自社の役回りを説明する。

足元の国内の建設市場は五輪関連需要で好調だが、長期的には縮小していく。「欧州ではコンセッションで利益の大半を稼ぐ建設会社もある」(小原好一社長)という。今後も空港や有料道路、下水道などのコンセッション案件が控えている。今回の案件を、コンセッション事業を建設と同等の利益水準に育てる足がかりにする考えだ。

入札の手続きや民営化時期は当初計画より遅れようやく優先交渉権者がきまった。宮城県の村井嘉浩知事は11日、東急連合に確定したことを受け「LCCの誘致は仙台空港活性化のカギだと思っている。提案通り駐機場の整備なども積極的に行ってほしい」と話した。

空港の運用時間の延長を求められた場合は「実現できるよう地元との調整や財源確保も含めて前向きに協力していきたい」と述べた。宮城県は2013年に空港の利用者を年600万人、貨物の取扱量を年5万トンに引き上げる構想を打ち出しており、民間の知恵による活性化に期待を寄せる。

「新幹線との競争も激しく仙台空港の採算性は厳しい」(大手建設会社首脳)との指摘もある。運営期間は30年が基本で最長65年。長期にわたり安定した収益を確保し続けられるかが問われる。

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