紳士服、デフレの重圧再び 青山商事は営業減益

2016/11/11 19:15
保存
共有
印刷
その他

青山商事やAOKIホールディングス(HD)など紳士服大手にデフレの重圧が再びのしかかってきた。この数年は消費者心理の好転で単価の高いスーツの販売が堅調だったが、ここにきて消費者の間では低価格志向が強まりつつあるという。11日に2016年4~9月期連結決算を発表した青山商事の宮武真人副社長は「客数の減少に歯止めがかからない」と厳しい表情を浮かべた。

■減益相次ぐ4~9月期

青山商事の4~9月期はビジネスウエア事業の営業利益が前年同期比17%減った。既存店の売上高が客数の減少で伸びなかったことが大きい。10日に4~9月期の連結決算を発表したAOKIHDの場合、紳士服を含めたファッション事業が18億円の営業赤字だった。

この2~3年は、アベノミクス効果による消費者心理の好転と訪日客の増加で販売現場に活気が戻っていた紳士服業界。青山商事では1着あたりの平均単価が2万8000円超と2年前に比べて2000円あまり上昇。コナカも羊毛を使った高級スーツが売れ、「10年くらいかけて3万円台から2万円台半ばまで下がった単価が、ここ3年ほどで一気に3万円台まで戻った」(湖中謙介社長)。

だが、そんな"上げ潮"の局面が変わった。販売の現場ではデフレの影がちらついている。

■セールで顧客呼び込み

「今年に入ってから1着あたりの販売価格の上昇が止まり、消費者の低価格志向が強まってきた」とはAOKIHDの広報担当者。同社は4~9月期に約100店舗の改装に合わせた大規模セールを実施、顧客の呼び込みに力を注ぐ。

コナカも高級スーツに力を入れて単価の引き上げを狙う一方で、「2着目1000円」のセールを打ち出した。青山商事も「これからセールなどで競合に対抗できるだけの販促をかける」(宮武副社長)という。

紳士服は景気に敏感な商品とされる。家計の中で真っ先に支出が減らされるからだ。景気回復と賃金上昇への期待から少しばかり緩んだ「お父さんの財布」のひもが再び固くなってきたのだとすれば、紳士服各社の業績の先行きも不透明感が増していきそうだ。

(富田美緒)

日経電子版が最長2月末まで無料!
初割は1/24締切!無料期間中の解約OK!

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]