2019年3月21日(木)

肺がんへの有効率6割に がん免疫薬「キイトルーダ」

2017/5/11 10:16
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米食品医薬品局(FDA)は10日、米製薬大手メルクが販売するがん免疫薬「キイトルーダ」について、肺がんに対する新たな使用法を承認した。肺がん患者に効く割合が現状の2割から約6割まで高まる方法で、承認の可否に注目が集まっていた。

キイトルーダは、がん免疫薬「オプジーボ」のライバル薬。承認された新治療法は、キイトルーダを2種類の抗がん剤と一緒に使うというものだ。「アリムタ」と「カルボプラチン」を同時に投与したところ、がんの大きさが30%以上縮小した患者の割合(奏効率)が55%に上った。

キイトルーダは従来肺がんには単独でしか使用できず、奏効率は一般に20%程度にとどまる。年1500万円前後と薬価が高額なわりに奏効率が低いことが課題だったが、FDAはその大幅な向上を評価した格好だ。

この新使用法は最初の抗がん剤治療(1次治療)として使える。非扁平(へんぺい)上皮がんというタイプの肺がんが対象となり広く使用できる。さらに、肺がん組織のたんぱく質「PD―L1」を検査で調べて選別する必要がない。多くの患者が恩恵を受けそうだ。

一方、米国でブリストル・マイヤーズスクイブが販売するオプジーボは、同様の抗がん剤併用治療がまだ承認申請されていない。このため米国では肺がん治療で、キイトルーダがオプジーボに比べて大幅に有利になるとみられている。

日本ではこの使用法に関する試験を実施中で、承認は早ければ来年と予想される。肺がん患者団体「ワンステップ」代表の長谷川一男氏は「非常にうれしいニュース。日本でも早期の承認を待ちたい」と話している。

■がん研究会有明病院・西尾誠人医師の話

現状では生存期間のデータが出ておらず有用性を正確に判断できないが、期待感が大きいのは事実。患者から使用したいとの要望も強まるだろう。ただ新しい治療法はリスク評価が不十分なことに気をつけるべきだ。キイトルーダ単独で効くはずの人に不必要な抗がん剤を追加している可能性もある。

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