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西武HD株、堤氏の保有ゼロに 株主訴訟の賠償費用負担

西武ホールディングス(西武HD)は10日、旧西武鉄道の上場廃止に伴って一般株主から提訴された訴訟に関する賠償費用のうち、255億円を堤義明氏ら旧経営陣から回収すると発表した。西武HDの大株主で、堤氏らが保有するNWコーポレーションの株式を売却するなどして資金をまかなう。堤氏が保有する西武HD株はゼロになる。

「これで完全に賠償費用の問題を解決できた」。10日、都内で記者会見を開いた西武HDの高橋薫取締役常務執行役員は安堵の表情を浮かべた。

西武鉄道は有価証券報告書虚偽記載により、2004年12月に上場廃止となった。その後、一般株主が十数件の損害賠償請求訴訟を提訴。これまでに西武HDは合計309億円を支払い、かかった費用の負担を旧経営陣に求めていた。堤氏らは請求額の元本の226億円を負担。裁判が長引いたことにより発生した遅延損害金の支払いは求められていないが、自主的に一部を負担する。

賠償額の返還を申し出たのは堤氏側だった。西武HDによると堤氏は「従前より会社に生じた負担については私が負うべきだ」と話したという。双方は15年8月に交渉を始めた。西武HDの後藤高志社長は「当時の最高責任者として、潔く責任を全うする姿勢は真摯に受け止めたい」とコメントした。

NW社は西武HDの発行済み株式の約15%を保有する大株主で、05年のグループ再編に伴い設立した持ち株会社。堤氏や従業員持ち株会などが出資し、堤氏個人ではNW社の株式を約36%持っている。堤氏らは255億円のうち248億円をNW社株を西武HD側に売却して賄う。残りの7億円を支払うために堤氏は西武HD株も売却し、保有分はゼロになる。

これに伴い、西武HDはNW社の株式約43%を取得する。会社法308条では議決権ベースで4分の1以上の出資を受ける企業が持ち合う出資元企業の株主に議決権を認めないとの規定があり、NW社の西武HDへの議決権は無くなる。一方で、筆頭株主の米投資会社、サーベラスが持つ西武HD株は議決権ベースで21.2%から24.9%に上昇するとみられる。

西武HDは賠償費用の回収に伴い、16年3月期決算で255億円の特別利益を計上する見通し。車両基地の整備計画の廃止に伴う特別損失も発生するが、純利益は前期比40%増の487億円と従来予想を122億円上回り、過去最高を更新する見込みだ。

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